布プリントの最前線・あらゆる生地に対応できるデジタル捺染プリンタとは

ミマキエンジニアリング最新の生地や布へのプリント技術を解説。現状のテキスタイル産業の課題に対して、昇華転写プリンタ、最新捺染プリントシステムTRAPIS(トラピス)が解決いたします。

現在アパレル産業は、多くの課題に直面しています。
国内の布(テキスタイル)の染色工程は、専門知識や経験のある職人の減少による後継問題、雇用の問題が顕著です。
また布に対してプリントする染色工程は、未だに川への汚染や多くの廃水が出る事による環境問題があります。
「知識や経験を継承する若い力が欲しいけれど、求人が集まらない。」
「自社で配慮をしているものの、汚水について自治体や近隣住民から指摘を受けてしまった。」
実際に環境への関心や規制も強まってきていることで、事業の継続に不安を覚える事業者様が増えております。
そのような声もある中で環境問題と経営課題を解決するのがデジタル捺染です。

このような方におすすめの記事です
布へのプリントにおける最新システムを知りたい方
布、テキスタイル、染色産業に従事されていて課題をお持ちの方
現在、布やテキスタイル、反物など染色産業機器の交換検討をされている方

読み終わるまで約5分

課題を抱える日本の繊維業界



経済産業省が発表したデータでは、現在日本国内の繊維業界の事業所は年々減少し続けています。また産業の従事者も2007年の68万人から2020年には40万人まで低下しました。
職人の高齢化や後継者不足、使用している機器の老朽化なども課題として多く、事業の転換点を迎えている事業者が多いのが特徴です。
また繊維産業は大量の水を使用し、廃水も多い産業でもあります。
環境問題の関心が高まっていることで、これまでにない環境規制に対応するサスティナブルな経営が必須となってきています。


2030年に向けたテーマ


染色工程の例

繊維産業の次世代に向けたテーマとして5つの方向性が挙げられています。
・新たな“稼ぐ力”の創出
・海外市場への積極的な参入
・技術開発の促進
・SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)
・デジタル化

その中でも今回注目したいのは新たなビジネスモデルの創造、SX(サスティナビリティ・トランスフォーメーション)とデジタル化です。
これらを一度に転換できるのがデジタル捺染のプリンタの導入です。

デジタル捺染の優位性

デジタル捺染とは、パソコン上のデザイン(画像や模様)をプリンタを使って布を染色すること。
布に直接プリントする、もしくは転写紙と呼ばれる専用の紙にデザインを一度プリントしてから布に転写する方式が一般的です。
以下のメリットが得られるため、近年アパレル業界では著しく普及しています。
①印刷版やインクの調合が不要のため、多様なデザインや色使いにも対応できる
②必要なものを必要な分だけ生産でき、リードタイム短縮・在庫リスクを削減できる
③印刷版の洗浄が不要のため、環境負荷の削減、作業者の安全が確保できる

特に当社では、下の図のように、これまでの染料デジタル捺染の工程を大幅に短縮した
プリント・転写システムをご紹介しております。


捺染方法の比較

デジタル捺染の選択肢

近年著しく普及している染料デジタル捺染。布にとても鮮やかにプリントできる一方、                                
プリンタに搭載するインクのタイプにより対応できる生地の種類が限られます。
→詳しくはこちらの記事へ 生地や布に印刷できるインクジェットプリンタの違い      
生地の種類の対応の幅を広げようとすると、対応したインクの種類だけプリンタの台数が必要となります。
また、生地の種類により鮮やかにプリントするための前処理の方法(薬品の種類や用量)や工程が変化するため膨大な量の専門知識や予備試験が必要です。                                

簡単にできるミマキのデジタル捺染

当社ではデジタル捺染を簡単にできる昇華転写プリンタと捺染顔料転写プリントシステムを扱っています。
①昇華転写プリンタ
テキスタイル産業の大半を占めるポリエステル生地に特化したプリンタ
主にスポーツアパレル・ファストファッション・ソフトサイン用途向け

②新製品 捺染顔料転写プリントシステム「TRAPIS」(トラピス)
1台のシステムであらゆる種類の布へプリントが可能


布プリンタの比較

①昇華転写プリンタのラインナップご紹介

画像をクリックすると詳細動画が見られます。


TS100-1600

エントリモデル:TS100-1600

TS330-1600

ミドルレンジモデル:TS330-1600

Tiger600-1800TS

生産用ハイエンドモデル:Tiger600-1800TS

昇華転写プリントの用途例

ポリエステルを中心とした布へのプリントからファッションアパレル、スポーツアパレルなど衣料品の用途に適しています。またポリエステルでのインテリアファブリック、ソフトサインにも対応いたします。



②1台ですべての生地に対応できるシステム TRAPIS(トラピス)


2023年リリース。当社プリンタTS330‐1600と熱転写機を組み合わせたシステムとなっております。
最大の特徴はデジタル捺染では困難とされていた一台であらゆる生地に対応できること。
これまでの捺染工程のほとんどが省かれる画期的なシステムで地価の高い都市部のオフィスでも捺染を行うことができます。
これまでにない廃棄物の抑制と、配送距離の短縮化で大幅なサスティナビリティ施策の実現が可能です。
製品詳細はこちら



オペレーションだけでなく、導入も簡単。初期費用でも差別化。


通常の染料デジタル捺染プリント設備は、プリンタに加え前処理機、スチーム機、洗浄機などなど、設備一式で数千万円してしまうこともあります。
さらに、各地域の条例に沿った排水処理設備などを含めれば数億円単位の設備投資が必要です。
しかし転写プリントはプリンタと専用の転写機だけで廃水がほぼゼロ。
処理設備ももちろん不要で装置に必要なスペースと電源があれば、即導入が可能です。

TRAPISの用途例


現在TRAPISが特に得意とする素材は麻や混紡になります。
熱転写機の設定により、ナイロンなどの化学繊維にも幅広く対応でき、これまでに困難だった柄の装飾や、小ロット、短納期での作成にも対応できます。


ナイロン繊維

カーテンでの使用例


TRAPISカーテンの例

混紡(ヘンプ・スパンデックス)


家具・カバーの例


TRAPIS家具・カバーの例

綿・ポリエステル


バッグ・ポーチの例


TRAPISバッグ・ポーチの例

その他あらゆる素材・用途に


こちらの画像の製品は壁紙も含め、全てTRAPISでプリントしたものになります。



布へのプリントに特化したミマキの県テクニカルトレーニングセンター


ミマキエンジニアリングでは長野県・東御市にこれまでにご紹介したプリンタ・システムを一度にご覧頂ける施設、県(あがた)テクニカルトレーニングセンターを設立。
テキスタイルのトータルテスト、作成サンプルが見られる特別な施設となっており、ミマキの最新技術を体験することができます。


県テクニカルセンター①
県ショールームTRAPIS

施設を見学されたお客様の声


プリンタ購入検討のオリジナルウェア販売の事業を行っている事業者さま
「ミマキからDTFプリンタが発売したので、既製品のオリジナルTシャツのプリントはできます。
但し、Tシャツの全面にプリントしたり、生地にナイロンを含んだアウトドア用のTシャツ作成などはできませんでした。様々な製品を見た中で自社で作りたいものに対応したプリンタを選ぶ要素になりました。
また、最新のシステムTRAPISについても見学し、生地の原反からプリント可能で時代の流れに合わせた生地選択やデザインを扱えると思い魅力的に感じました。」

TRAPISをご覧になったスポーツアパレルメーカーの事業者さま
「サスティナブルな製造が求められている中で、TRAPISのようなシステムに出会えたことは非常に驚きました。これまで主にポリエステル生地を扱っていて、ポリエステル以外の素材の小ロットでの複雑なデザインにも対応できそうと感じました。今後さらにお話を聞いた上で、導入を決めていきたいと思っています。」

お問い合わせ

ミマキエンジニアリングでは営業担当がお客様をサポートいたします。
見積りが欲しい、補助金を使ったお得な購入方法を知りたいなど、ご要望がございましたらお気軽にご相談ください。
県テクニカルセンターへの来訪希望のお問い合わせもこちらよりお申込みください。



対応製品

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