産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/池田 和明)は、テキスタイル・アパレル印刷用途に向けて、当社初のダイレクト トゥ フィルム[Direct To Film(以下DTF)]プリンタ「TxF150-75」およびDTF専用 熱転写顔料インク「PHT50」を開発、2023年4月より販売を開始します。また、新製品の販売開始に先立ち、2023年2月28日より開催の展示会「JAPAN SHOP 2023(東京ビッグサイト)」において同新型機を出品します。
DTFプリントとは、テキスタイル・アパレル業界、特にTシャツに代表されるウェアプリント市場で急速に普及している印刷方式です。DTFプリントは、まず、転写用の特殊フィルムにプリンタで直接デザインを印刷します。次に、印刷したフィルムにホットメルトパウダーと呼ばれる粉をふりかけた後に熱を加えて乾燥させることで、フィルム上に転写可能なインクの層を形成します。形成されたインクの層を熱プレスによってTシャツなどの生地に転写させることで、成果物が完成します。
ミマキエンジニアリングが開発した「TxF150-75」は、DTFプリントの転写シート作成に用いる最大印刷幅80cmのインクジェットプリンタです。CMYKおよび白の5色で構成されたDTF専用の熱転写顔料インク「PHT50」は、繊維の安全性に関する国際規格「OEKO-TEX®(エコテックス)」の取得に必須のECO PASSPORT認証を3月末に取得予定です。
これまでのDTFプリンタは、「インク吐出不良」や「白インクの詰まり」が課題となっていましたが、当社はプリンタのインク包装形態にアルミパックを採用する脱気インク設計を採り入れるとともに、白インク循環機能MCT(Mimaki Circulation Technology)※1を搭載することでこれらの課題を改善しています。また、安定稼働をサポートするMimakiの技術NCU(Nozzle Check Unit)※2とNRS(Nozzle Recovery System)※3を搭載。仕事を止めずに継続して出力し、お客様のお仕事をサポートします。
現在ウェアプリント市場ではシルクスクリーン印刷が広く採用されていますが、この印刷方式では版を用意する必要があるため、小ロットの生産に不向きであり、フルカラーでの印刷は手間と色の種類分の版作成が必要となります。また、ラバーシートを利用した熱転写方式も多く利用されていますが、デザインが印刷された転写シートを生地に定着させる際、転写に不要な部分を手作業で取り除く「カス取り」作業に人手を割く必要があります。近年では、インクジェットプリンタを用いて衣類や生地に直接デザインを印刷するDTG(Direct To Garment)プリントも普及しています。DTGプリントは版を用意する必要が無く、フルカラープリントにも対応しますが、生地の前処理が必要で、印刷工程ごとにオペレータの手作業が発生します。
DTFプリントは従来の印刷方式で課題となっていた版の用意、カス取り作業を不要とし、印刷工程は無人運転が可能なため、省人化に貢献する技術として市場で急速に導入が進んでいます。
「TxF150-75」は2023年4月の販売開始を予定しており、本体価格は130万円(税別)/ 143万円(税込)で、Tシャツをはじめとするウェアプリント用途を対象に、年間600台(全世界)の販売を見込んでいます。なお、DTFプリントに向けて当社が提供する製品はプリンタとインク、RIPソフトで、転写シートの作成に用いるフィルム、ホットメルトパウダー、パウダー塗布装置および後加工機、熱プレス転写機についてはプリンタ販売時、当社の推奨仕様をお客様に提示いたします。
ミマキエンジニアリングでは、『新しさと違い』を経営ビジョンに掲げ、常に新たな技術革新を目指し、お客様が求める「美しさと速さ」の実現を追求し続けてまいります。
※1 Mimaki Circulation Technology:白インク循環機能
※2 Nozzle Check Unit:ノズル抜け検出機能
※3 Nozzle Recovery System:ノズル抜けを他のノズルで補う機能
展示会出展概要
名称:JAPAN SHOP 2023(第52回店舗総合見本市)
会期:2023年2月28日(火)~3月3日(金)
時間:10:00~17:00(最終日は16:30まで)
会場:東京ビッグサイト(東京国際展示場) 東展示棟
東京都江東区有明3-10-1
ブース:JS4210
主な特長
1.「インク吐出不良」や「白インクの詰まり」を解消し安定稼働を実現
安定稼働をサポートするMimakiの技術NCU(Nozzle Check Unit)とNRS(Nozzle Recovery System)を搭載。ノズルに問題が発生した場合でも、サービスマンの修理を待つことなくプリントが再開でき、生産を継続。また、白インクを定期的に循環させることで顔料の沈殿を効果的に抑制する機能MCT(Mimaki Circulation Technology)も搭載し、「白インクの詰まり」といったトラブルを未然に防ぐとともに、インクの包装形態にアルミパック設計を取り入れ、脱気インク設計としたことで「インク吐出不良」を改善し、安定した出力を実現。
アルミパック設計のエコカートリッジインク
NCU&NRSでノズル抜けを自動検知してダウンタイムを最小限に
安定したプリントを可能にする白インク循環システム「MCT(Mimaki Circulation Technology)」
2. お客様に寄り添う、Mimakiの充実サポート
お客様の問題をすばやく解決し、顧客満足度をあげるため、地域密着型のサービスをコンセプトに国内16拠点でアフターサービスを実施。サービス担当者はすべて自社スタッフであり、スムーズで充実したサポート体制を完備。
国内16拠点でお客様のビジネスを強力にサポート
3. ECO PASSPORT認証インクでお客様の安心・安全に配慮
繊維製品の安全を保障する国際的安全規格「OEKO-TEX®」取得に必須であるECO PASSPORT認証を全色取得予定。(3月末) 環境負荷を低減し、お客様の作業環境にも配慮。
主な仕様
項目 | TxF150-75 | |
---|---|---|
プリントヘッド | オンデマンドピエゾヘッド | |
プリント分解能 | 720dpi、1,440dpi | |
インク | 種類/色 | 熱転写顔料インク PHT50(C,M,Y,K,W) |
容量 | 600mlインクパック(ホワイトのみ500ml) | |
循環機能 | ホワイトのみ有り | |
最大作図範囲 | 800mm | |
メディア | 最大幅 | 810mm |
厚さ | 1.0mm以下 | |
ロール重量 | 45kg以下 | |
インターフェイス | Ethernet 1000BASE-T, USB2.0 Hi-speed | |
電源仕様 | 本体:単相AC100~120/200~240V±10%、50/60Hz±1Hz×1 | |
消費電力 | 100V系:1.44kW、200V系:1.92kW | |
安全規格 | VCCIクラスA / FCC クラスA / IEC62368-1 準拠ETL / CEマーキング(EMC指令、低電圧指令、機械指令、RoHS指令)/ CB認証 / REACH / エナジースター / RCM / KC | |
外形寸法(W×D×H) | 1,965mm×700mm×1,392mm | |
本体重量 | 126kg |
※記載の仕様、デザイン、寸法などは、技術改善等により予告なく変更する場合があります
株式会社ミマキエンジニアリングについて
ミマキエンジニアリングは、産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタおよびそのインク、ソフトウェアの開発・製造・販売・保守を⾏っています。サイングラフィックス、インダストリアルプロダクツ、テキスタイルアパレルの市場に向け、プリント工程のトータルソリューションを提供することにより、お客様に常に「新しさと違い」をお届けするイノベーターを目指しています。
企業・IRサイト: https://ir.mimaki.com/
製品サイト: https://japan.mimaki.com/
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株式会社ミマキエンジニアリング
営業本部グローバルマーケティング部インサイドセールスグループ
〒389-0512 長野県東御市滋野乙1628-1
TEL:0268-80-0078 / FAX:0268-80-0041
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