産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/池田 和明)は、テキスタイル・アパレル市場に向け、水の使用が極めて少なく、多様な生地にプリントできるダイレクト捺染インクジェットプリンタ「Tx330-1800」及び「Tx330-1800B」を発表いたします。当社は2025年3月4日から開催される展示会「JAPAN SHOP(開催地/日本・東京)」に「Tx330-1800」を初出展し、Waterless(ほぼ無水)*1で高画質・多用途なオンデマンド捺染ソリューションを来場者に提案いたします。
*1 生地の種類により、プリント前後処理のため水を使う場合があります。
繊維製品製造、特に染色(染料で生地を着色する)工程における膨大な水の使用が深刻な環境問題となっています。染色に伴う廃水は世界の工業水汚染の20%に当たり、廃水に含まれる有害な化学物質が人体や環境へ影響を及ぼすことが指摘されています。また、染色は薬剤調合や温度管理など熟練した職人の技術が必要です。昨今の人手不足による後継や労働力確保が困難であることから繊維工業事業は減少傾向にあり*2、アパレルブランドの海外製造依存によるコスト競争激化と輸送・在庫廃棄によるCO2排出*3も、繊維業界の持続化を推進する上で問題視されております。
*2 経済産業省「繊維産業の現状と2030年に向けた繊維産業の展望(繊維ビジョン)の概要」
*3 繊維産業全体で世界のCO2排出量の約10%を占める(Ellen MacArthur Foundation)
アパレル業界においてはその素材やデザインの多様化、トレンドサイクルや生産プロセスの短期化、さらに環境配慮された捺染方式が求められており、消費地の限られたスペースでオンデマンド生産できるデジタル捺染の市場拡大が予想されております。当社は小規模設備でほぼ無水、簡単にできる捺染方式でそのデジタル捺染市場をリードします。
このたび当社が発表する「Tx330-1800」及び「Tx330-1800B」は、捺染工程でほとんど水を使用しない、専用の捺染顔料インクと昇華染料インクを使用可能なダイレクト捺染インクジェットプリンタです。従来の染料インクにおける大量に水を使う煩雑な捺染工程と比較し、これらのインクはプリントとベーキング(熱処理)の簡単な手順で捺染工程が完了するため(図1)、給排水や浄水設備の設置及び染色の専門知識が不要で、デジタル捺染をより身近に導入頂けます。また、当社のフラッグシップ・プリンタに搭載される高解像度・高精細のプリントヘッド「330エンジン」と当社独自のイメージング技術を搭載し、美しいグラデーション表現と高濃度プリントによりこれまで以上に高画質で、お客様の表現豊かなオンデマンドテキスタイルプリントを創造します。
「Tx330-1800」は布地と紙のプリントに対応したハイブリッドモデルです。プリントする基材(生地または転写紙)に応じてプリント機構をオペレーターが簡単に切り換えられ、主にファブリックサインとインテリアファブリックを小ロットから製作できます。加えて壁紙やポスター紙のプリントもでき、ソフトサイン製作が主であったお客様による店舗やイベントブースの内装を含めたトータルコーディネートの提案力に寄与します(図2)。
「Tx330-1800B」は省スペースのベルト搬送システムを採用し、アパレルに汎用される伸縮生地や厚手、薄手の生地を安定してプリントでき、デザインオフィス・学校や生地販売店舗など限られたスペースで小ロット多品種のアパレル生産をサポートします(図3)。
捺染顔料インクは天然繊維(綿・麻・シルクなど)、再生繊維(レーヨン・キュプラなど)及び化学繊維(ナイロンなど)の多種に渡る生地の捺染ができます(図4)。また昇華染料インクはポリエステル生地への染色ができ、ファブリックサイン、ファッションアパレル、スポーツアパレルで活用されています。
さらに、これらのインクを同時搭載*4する「ハイブリッドインクセット」によりプリンタ1台の用途を大幅に広げられ、ニアショア(消費者に近い場所)でのテキスタイルプリントビジネスの多様化に貢献します。
*4 Tx330-1800のみ、昇華転写インクを含む計3種類のインクから2種を選択し同時搭載可能
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図1 染料捺染と顔料捺染のプリントプロセスの比較
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図2 Tx330-1800の製作例(イベントブース)
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図3 Tx330-1800Bのアパレル用途例
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図4 テキスタイル染料ごとのプリント可能な繊維素材
Tx330-1800/-1800Bの主な特長
- Waterlessの捺染インクを搭載したダイレクト捺染プリンタ
- 当社のフラグシップモデル・スタンダードの「330エンジン」を搭載し、高濃度・高精細を実現
- プリントする生地の種類と用途に応じたモデルのラインナップ
- ハイブリッドインクセットで大幅に用途が広がる
テキスタイル・アパレル市場に向けて本製品を2025年4月に発売いたします。「Tx330-1800」は本体価格410万円(税別)、「Tx330-1800B」は本体価格600万円(税別)を予定しております。
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また当社はTx330-1800/Tx330-1800Bと同時にアパレル・インテリア向けテキスタイルRIPソフトウェア「TxLink5」を発売いたします。当社のデジタルテキスタイル生産向けのRIPソフトウェア「TxLink」の最新版のTxLink5は、複数台のプリンタを使用する生産環境における利便性が向上し、生産履歴機能も強化しました。
ミマキエンジニアリングでは、『新しさと違い』を経営ビジョンに掲げ、常に新たな技術革新を目指し、お客様が求める「美しさと速さ」の実現を追求し続けてまいります。
展示会出展概要
名称:第54回店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2025」
会期:2025年3月4日(火)~3月7日(金) 10:00~17:00(最終日は16:30まで)
会場:東京ビッグサイト 東展示棟
ブース番号:JS4209
ご案内ページはこちら
主な仕様
項目 | Tx330-1800 | Tx330-1800B | |
---|---|---|---|
プリントヘッド | オンデマンドピエゾヘッド | ||
プリント分解能 | 300, 600, 900, 1200, 1800dpi | ||
インク | 種類/色 | 捺染顔料インク TP410 C/M/Y/K/R/Gr/Bl/Lk 昇華染料インク Sb420 Bl/M/Y/K/Lb/Lm ハイブリッドインクセット時 TP410 C/M/Y/K Sb420 Bl/M/Y/K Sb411 Bl/M/Y/K |
捺染顔料インク TP410 C/M/Y/K/R/Gr/Bl/Lk 昇華染料インク Sb420 Bl/M/Y/K/Lb/Lm ハイブリッドインクセット時 TP410 C/M/Y/K Sb420 Bl/M/Y/K |
容量 | 2Lインクパック | ||
最大作図範囲 | 1,910mm(布)/1,940mm(紙) | 1,890mm | |
メディア | 最大幅 | 1,920mm(布)/1,950mm(紙) | 1,900mm |
厚さ | 5.0mm以下 | ||
ロール重量 | 40kg以下 | 40kg以下(2~3インチ紙管) 34kg以下(1~1.5インチ紙管) | |
インターフェイス | Ethernet 1000BASE-T(推奨), USB2.0 Hi-speed | ||
電源仕様 | AC100~120V/200~240V±10% 3A 50/60Hz±1Hz | AC100~120V/200~240V±10% 5A 50/60Hz±1Hz | |
消費電力 | 最大300W以下 最小4.5W以下 | ||
安全規格 | VCCI-classA, FCC classA, IEC62368-1 準拠 ETL, CEマーキング (EMC指令、低電圧指令、機械指令、RoHS指令), CB認証, REACH, EnergyStar, RCMマーク, KC認証, UKCAマーク | ||
外形寸法(W×D×H) | 3,230mm×965mm×1,857mm | 3,230mm×1,912mm×1,900mm | |
本体重量 | 291kg | 622kg |
※記載の仕様、デザイン、寸法などは、技術改善等により予告なく変更する場合があります
株式会社ミマキエンジニアリングについて
ミマキエンジニアリングは、産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタおよびそのインク、ソフトウェアの開発・製造・販売・保守を⾏っています。サイングラフィックス、インダストリアルプロダクツ、テキスタイルアパレルの市場に向け、プリント工程のトータルソリューションを提供することにより、お客様に常に「新しさと違い」をお届けするイノベーターを目指しています。
企業・IRサイト: https://ir.mimaki.com/
製品サイト: https://japan.mimaki.com/
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株式会社ミマキエンジニアリング
営業本部グローバルマーケティング部インサイドセールスグループ
〒389-0512 長野県東御市滋野乙1628-1
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