プロダクションモデル昇華転写インクジェットプリンタ「TS300P-1800」販売開始のお知らせ

製品情報

プロダクションモデル昇華転写インクジェットプリンタ


TS300P-1800ロゴ

『Next Generation』


 株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/小林 久之)は、テキスタイル・アパレル向け1.8m Roll to Roll水性昇華転写用インクジェットプリンタ「TS300P-1800」の販売を2015年7月より開始いたします。

 近年、テキスタイル・アパレル市場では、版を使った従来のアナログ印刷から、版が必要ないデジタルプリントへの移行が進んでおります。市場のニーズを即座に反映した短納期・少量多品種のオンデマンド生産が可能なデジタル化の流れが今後さらに加速すると当社は考えております。1998年から20年近くテキスタイル用インクジェットプリンタの開発・製造を行い、これまでに20機種以上を世に送り出してきた業界のパイオニアである当社のテキスタイル用インクジェットプリンタは、世界中のファッション、スポーツ、インテリア、ソフトサインと言ったテキスタイル市場の最前線で選ばれご好評をいただいております。その開発史の中で画質の美しさ、プリントの速さを常に追求してまいりました。

 従来の昇華転写プリンタではコックリング(※1)が発生しやすい安価な薄い転写紙を使用する際には、プリントヘッドとコックリングした部分が接触しないようにヘッドギャップを高くする必要がありました。ヘッドギャップを高くすると着弾精度が落ち、高画質でのプリントが行えません。しかし、『TS300P-1800』は吐出するインクのスピードを速くし直進性を高める新型ヘッドを搭載。安価な薄い転写紙を使用する際にヘッドギャップを高くしても着弾精度を落とさず高画質でのプリントが可能です。また、新開発の『Sb410』は低価格ながら当社のインク技術を満載した高機能昇華転写用インクです。バルクインクシステム『MBIS3』を標準搭載し2Lのアルミパックで供給することでコストダウンとインク交換頻度を減少させます。

 『TS300P-1800』は、市場で求められる美しいプリントと、生産性を高めるプリント速度を実現しているのはもちろん、マシン機能、プリント技術、インク技術からランニングコストの削減を提案する“次世代昇華転写用インクジェットプリンタ”です。


※1:コックリング:インクを吸った転写紙が波打つ現象(右写真)
ヘッドギャップが低いと転写紙とヘッドが干渉してプリント不良、ノズル抜け等の原因になる。


◎概要


TS300P-1800

●ランニングコスト削減ソリューション

○コックリング緩和搬送機構&新型ヘッド

  • コックリングの発生を緩和する搬送機構を搭載。
  • ハイギャップでプリントが可能な新型ヘッドを搭載し、コックリングが発生しやすい薄く安価な転写紙などへの高画質プリントを実現しました。

○低価格・高機能インク『Sb410』

  • 低価格ながら当社のインク技術を満載した高機能昇華転写用インクです。少ないインク量で高濃度にプリント可能でインクの容量を押さえランニングコストの削減を行います。

●美しさを追求するMimakiのプリント技術

  • 美しいプリントを実現する波形コントロール技術
  • バンディング、色ムラを軽減し、安定した高画質プリントを維持する『MAPS4』

●最大115m2/hの高速印刷で高い生産性を実現

  • 4色インクセットで最大115m2/h(※2)、6色インクセットでも最大65m2/h(※3)の高速プリントを実現。
    ※2:115m2/h:4色ドラフトモード 360×360dpi 1Pの場合
    ※3:65m2/h:6色ドラフトモード 360×360dpi 2Pの場合

●「仕事を止めない」連続運転ソリューション

  • 『NCU』がノズル抜けの検出からクリーニングを自動で行います。クリーニングでも復旧しない場合は『NRS』が自動で代替ノズルを設定してプリントを再開します。ノズル抜けによるメディアのロスを最少に抑え、高品質での生産を自動で継続します。
  • 2L大容量インクパックを使用するインクバルクシステム『MBIS3』を標準搭載。長時間の連続運転が可能です。

●高機能RIPソフトウエア『TxLink3 Lite』
  ※購入時に『TxLink3 Lite』『RasterLink6』どちらを標準添付するかお選びいただけます。

  • ラスター・ベクターデータ、RGB・CMYKの色置換も簡単。カラーバリエーションの展開がRIPで簡単に行えます。
  • 多彩な色置換機能で簡単に思い通りの色味の再現が可能。

◎主な特長

1.ランニングコスト削減ソリューション

『TS300P-1800』はマシン機構、プリント技術、インク技術といった様々な面から品質を落とさずに実現するトータルランニングコストの削減をご提案いたします。

1)コックリング緩和搬送機構&新型ヘッド

昇華転写紙へのプリントでは、インクを吸った転写紙が波打つコックリングが生産性やプリント品質を落とす要因になります。『TS300P-1800』ではコックリングの発生を緩和する搬送機構を搭載するとともに、ハイギャップでプリント可能な新型ヘッドにより、コックリングが発生してもヘッドと転写紙が干渉することなくプリントが行えます。コックリングが原因で、高画質でのプリントが難しかった薄く安価な転写紙から、濃度が必要なため、大量のインクを吐出することでコックリングが発生しやすい厚い転写紙まで『TS300P-1800』なら高画質のプリントが可能です。これまでは安価な薄手の転写紙を使用してランニングコストを抑えるか、厚手の転写紙を使用して仕上がりの美しさをとるか選択する必要がありましたが、『TS300P-1800』はコストと品質の両方をご提供します。

(1)コックリングの発生を緩和する搬送機構

①プラテンのバキューム機構によりメディアの浮きを抑制し、コックリングの発生を緩和します。
②AMF(Auto Media Feeder)機構を標準搭載し、薄くて腰の弱いメディアや、重量のあるメディアまで適切なテンションを自動でかけることで高精度な送り出しと巻取りを実現して高品質なプリントが可能です。
③メディア押えのサイズを延長しコックリングが発生しやすいプリント直後のメディアの浮きを抑えコックリングを緩和します。



(2)コックリングが発生しても高画質プリントを実現するハイギャップヘッド

コストが安い薄手の転写紙にプリントする場合コックリングが発生しても良いようにヘッドギャップを高く設定する必要がありました(図3)。しかし、ヘッドギャップを高くするとインクの着弾精度が落ち高画質でのプリントは困難です(図4)。『TS300P-1800』では、吐出するインクのスピードを速くすることで直進性を高め、ヘッドギャップが高くても着弾精度を落とさず高画質でのプリントが行える新型ヘッドを搭載しました(図5)。



2)低価格・高機能『Sb410』

(1)生産コストを削減する低価格インク

インクの生産コストを改善し、販売価格を低く押さえることで当社従来製インクから約20%(※4)のコストダウンを実現しました。他社の昇華転写インクと比較して1mlあたりの単価が最大約45%削減できます(※5)。
利益に直結するインクのランニングコストを削減しお客様のビジネスをサポートいたします。
※4:Sb53インクと比較 ※5:2015年3月 当社調べ

(2)安定した生産と美しいプリントを実現した高機能インク
  • 生産性を後押しする吐出安定性
    乾燥後の再溶解性を高めることでノズル抜け等の原因になるノズルに付着して固まってしまったインクを洗浄液で容易に除去できます。また、放置安定性を高めることでクリーニング回数を減らしランニングコストを削減します。
  • 美しく色鮮やかな仕上がり
    染料の沈降性を低くすることで安定した美しいプリントが可能になります。また、インク濃度を高くプリントできるため、昇華転写後に色鮮やかな仕上がりを実現します。
  • 昇華転写時の発煙量が少ない
    昇華転写時の発煙量が少なく作業環境を向上させ安定的な生産に寄与します。

2.美しさを追求するMimakiのプリント技術

1)美しいプリントを実現する波形コントロール技術

インクは色によって比重と粘度が異なりますが、吐出時の波形をコントロールすることでどの色のインクも真円に近い形状で真っ直ぐに吐出することが可能になりました。ヘッドギャップが高くても高い精度でメディアに着弾させることで高画質を実現。また、高精細なプリントに効果的な最小4plから、高速でプリントする際に力を発揮する最大35plサイズのドロップも正確に着弾させます。高精細で美しいプリントから、生産性を求められる高速プリントまで状況に応じて最適なプリントを可能にします。

2)安定した高画質プリントを可能にする『MAPS4』

通常、パスの境界は直線になるため少しのズレにより、横シマが出るバンディングや、色ムラの原因になります。「MAPS4」(Mimaki Advanced Pass System 4)ではパスの端を拡散させ、境界線をグラデーションのようにすることでバンディングや色ムラの発生を軽減し美しいプリントを実現します。


MAPS4あり


■MAPS4あり
パスの境界を拡散させるのでバンディングや色ムラを軽減して美しい画質を実現。



MAPS4なし

■MAPS4なし
パスの境界線でバンディングが発生。横スジや色ムラが入るため著しく画質を損なう。


3.最大115m2/hの高速印刷で高い生産性を実現


プリントヘッド4基をインライン配列することでプリントの高速化をはかりました。生産性を重視したドラフトモード(最大115m2/h)の高速プリントから、品質を重視した高画質モードまで仕事に合わせたプリント速度の設定が可能です。


プリント速度

4.「仕事を止めない」連続運転ソリューション

インクやメディア切れ、ノズル抜け等、生産性を維持するために懸念される項目は多くあります。
TS300P-1800では様々な技術をまとめて連続運転をサポートいたします。

1)自動でノズル抜けを検出、解決する
 『NCU(Nozzle Check Unit)』

ノズルの状態をセンサーが自動で検知します。ノズル抜けを発見した場合は自動でクリーニングを実行しノズル抜けの解消を行います(図7)。ノズルの状態を確認するタイミングは作図データごと、時間単位で設定が可能。連続出力時のノズル抜発生以降の出力物を全て無駄にすることを未然に防ぎます。

2)生産性を維持するための
 『NRS(Nozzle Recovery System)』

クリーニングしても改善されないノズルトラブルはサービスマンによる修理が必要になり、それが終わるまではプリンタを停止する必要がありました。『NRS』は『NCU』が発見し、クリーニングでも改善できなかったノズル抜けを別のノズルで代替してプリントします。サービスマンによる修理を待つ必要なく生産を再開できます。(※6)
※6:プリントモードによってNRSを使用できない場合があります。


NCU と NRS


3)長時間運転を可能にする
 『MBIS3(Mimaki Bulk Ink System 3)』

2Lの大容量アルミパックからインクを供給することで長時間の連続運転を可能にすると共にインクの単価を下げ、ランニングコストを削減いたします。


MBIS3

5.高機能RIPソフトウエア『TxLink3 Lite』


1)色置換機能

各色のインク量を指定することで理想に近い色味を表現できます。

①希望する色味に近づける

出力物が目的の色味と異なる場合、色置換機能でより理想に近い色味を表現できます。コーポレートカラー等をプリントする際にも重宝します。


①希望する色味に近づける

②ラスターデータの色置換で広がるカラーバリエーション

簡単な操作で色置換が行えるためカラーバリエーションをRIPで作成できます。ベクターデータだけでなくラスターデータの置換も可能なのでカラーバリエーションの作成が容易に行えます。


②ラスターデータの色置換で広がるカラーバリエーション

2)ステップ&リピート機能

小さな画像を隙間なく繰り返して自動配置することで1枚の大きなリピートデザインを作成できます。デザイン作成に効果的なリピートパターンとミラーパターンをご用意しました。



3)多色ICCプロファイル作成

ウィザードに沿った簡単な操作でICCプロファイルが作成できます。
目的の色に合わせてICCプロファイルが作成できるので簡単に必要な色味を表現できます。


ICCプロファイル未使用時 / ICCプロファイル使用時

カラープロファイル作成手順

◎主な仕様

項目TS300P-1800
プリントヘッド オンデマンドピエゾヘッド(4ヘッドインライン)
プリント分解能 360dpi、540dpi、720dpi、1,080dpi
最大作図幅 1,940mm
最大メディア幅 1,950mm
インク種類/色 Sb410(Bl, M, Y, K, Lbl, Lm)
容量 2Lインクパック
メディア厚み 1.0mm以下
ロール重量 40kg以下
適合規格 VCCIクラスA / FCC クラスA / UL 60950-1準拠 ETL /
CEマーキング(EMC指令、低電圧指令、機械指令、RoHS指令)/
CB認証 / REACH / エナジースター / RCM
インターフェイス USB 2.0 Hi-speed / Ethernet 1000BASE-T
電源仕様 単相AC100~120V / AC200~240V
消費電力 (AC100V)1.44kW / (AC200V)1.92kW
動作環境 使用可能温度:20℃~30℃、湿度35~65%Rh(結露なきこと)
外形寸法(W×D×H) 3,200mm × 850mm × 1,857mm
重量 213kg

※記載の仕様、デザイン、寸法などは、技術改善等により予告なく変更する場合があります。

◎販売価格

TS300P-1800(RasterLink6同梱モデル) 298万円(税別)
TS300P-1800(TxLink3 Lite同梱モデル) 328万円(税別)

◎販売開始

2015年7月

◎販売予定台数

700台/年(全世界)

◎お問い合わせ先

株式会社ミマキエンジニアリング
グローバルマーケティング部 所 康武
住所:長野県東御市滋野乙2182-3
TEL:0268-64-2281 / FAX:0268-64-2285


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