エントリーモデル ダイレクト捺染インクジェットプリンタ「Tx300P-1800」販売開始のお知らせ

製品情報

エントリーモデル ダイレクト捺染インクジェットプリンタ


Tx300P-1800ロゴ

『Next is』


 株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/小林 久之)は、テキスタイル・アパレル向け1.8m幅 Roll to Rollダイレクト捺染インクジェットプリンタ『Tx300P-1800』の販売を2015年12月より開始いたします。「Tx300P-1800」は、発売以降14年間世界中で愛用されている「Tx2-1600」の後継モデルとして、小ロット生産やサンプル作成、デザイナーや教育の場などにご提案いたします。

 近年、テキスタイル・アパレル市場では、版を使った従来のアナログ印刷から、版を必要としないデジタルプリントへの移行が進んでおります。アパレルの市場は、生産コストの安い地域での大量生産から、消費地近くでの短納期・少量多品種生産に移行しています。その流れはさらに加速し、インターネットを利用した受発注を行うことで、消費者個人が自由にカスタマイズした“世界に1つだけのアイテム”を大量に生産する“究極のオンデマンド生産”が始まっています。当社は、「欲しいアイテムを探す」時代から「欲しいアイテムにカスタマイズして注文する」時代に移ると考え、プリンタユーザーがそれを実現するためのソリューションを提案してまいります。

 これまで布にダイレクトでプリントする場合には、布の種類によって変化する厚みに合わせてヘッドギャップを細かく調整する必要がありました。また、繊維の毛羽立ちを考慮してヘッドギャップを高く設定せざるを得ない場合もありました。しかし、調整が不十分なヘッドギャップや、高すぎるヘッドギャップはインクの着弾精度が落ち、高画質でのプリントが困難です。『Tx300P-1800』は、吐出するインクのスピードを速くし直進性を高める新型ヘッドを搭載することで、インクの着弾精度を高めハイギャップでの高画質プリントを実現しました。また、独自の布送り機構により布にかかるテンションを一定に保ち、高速プリント時でも安定した画質を維持します。さらに、当社が追求してきた『美しいプリント』をこれまで培ってきたプリント技術で実現します。新型のヘッドを搭載することで、従来機の約2倍※1のプリント速度を実現します。インクは用途に合わせて、昇華染料インク、分散染料インク※2、捺染顔料インク※2、反応染料インク※2、酸性染料インク※2の5種類からお選びいただけます。

 『Tx300P-1800』は、当社独自のマシン機能、プリント技術、インク技術で美しく、高精度なダイレクト捺染が可能な “エントリーダイレクト捺染インクジェットプリンタ”です。
※1:DS-1800との比較、昇華染料インクSb420使用時  ※2:後日対応予定

◎概要


Tx300P-1800

●各種布への対応力を高める新型ヘッド

  • 布により変化する厚みに柔軟に対応出来るのはもちろん、繊維の毛羽立ちや、織りによりヘッドと布が干渉することを防止するためにヘッドギャップを高くしても美しいプリントを維持します。

●安定したプリントを実現する独自の布送り機構

  • 前後のテンションバーを含む独自の布送り機構を搭載し、安定した布の搬送を実現しました。

●美しさを追求するMimakiのプリント技術

  • 美しいプリントを実現する波形コントロール技術
  • バンディング、色ムラを軽減し、安定した高画質プリントを維持する『MAPS4』

●「仕事を止めない」連続運転ソリューション


  • 『NCU』がノズル抜けの検出からクリーニングを自動で行います。クリーニングでも復旧しない場合は『NRS』が自動で代替ノズルを設定してプリントを再開します。ノズル抜けによるメディアのロスを最少に抑え、高品質での生産を自動で継続します。
  • 2L大容量インクパックを使用するインクバルクシステム『MBIS3』を標準搭載。長時間の連続運転が可能です。

●豊富な捺染インク


  • 用途に合わせて、昇華染料インク、分散染料インク※2、捺染顔料インク※2、反応染料インク※2、酸性染料インク※2の5種類の豊富なインクを準備するとともに、バルクシステムを標準装備し2Lのアルミパックで供給することでより低価格のインクをご提供いたします。

●高機能RIPソフトウエア『TxLink3 Lite』
  ※購入時に『TxLink3 Lite』『RasterLink6』どちらを標準添付するかお選びいただけます。

  • ラスター・ベクターデータ、RGB・CMYKの色置換も簡単。カラーバリエーションの展開がRIPで簡単に行えます。
  • 多彩な色置換機能で簡単に思い通りの色味の再現が可能。

◎主な特長

1.各種布への対応力を高める新型ヘッド

布によっては繊維が毛羽立ち、ヘッドと繊維の干渉を避けるためにヘッドギャップを高く設定する必要があります(図1)。しかし、ヘッドギャップを高くするとインクの着弾精度が落ち高画質でのプリントは困難です(図2)。『Tx300P-1800』では、吐出するインクのスピードを速くすることで直進性を高め、ヘッドギャップが高くても着弾精度を落とさず高画質でのプリントが行える新型ヘッドを搭載しました(図3)。


2.安定したプリントを実現する独自の布送り機構

ダイレクト捺染ではプリントする布を直接プリンタにセットするため、布の種類が変わっても安定した搬送が行えることが重要になります。布に掛かるテンションは、プリントが進むと変化するロール径や、インクの使用量、布の折り方によって刻々と変化します。『Tx300P-1800』にはダイレクト捺染インクジェットプリンタの開発・製造で培った独自の布送り機構を搭載し、布に掛かるテンションを常に一定に保ち安定した搬送を行うことで美しいプリントを実現しています。


図4:Tx300P-1800断面図

①繰出ユニット
②繰出テンションバー
③巻取りテンションバー
プリントが進むことでテンションは刻々と変化します。センサーでロール径を自動で検出しテンションを一定に保ちます。
④繰出折返しバー
テンションを均一にてシワの発生を抑える。
⑤引っ張りローラー
ローラーを回転させる事で均一にテンションをかける。
⑥巻取折返しバー
テンションを一定に保ち巻取りを安定させる。
⑦巻取りユニット


3.美しさを追求するMimakiのプリント技術


1)美しいプリントを実現する波形コントロール技術

インクは種類、色によって比重と粘度が異なりますが、当社では吐出時の波形をコントロールすることでどのインクも真円に近い形状で真っ直ぐに吐出することが可能です。ヘッドギャップが高くても高い精度でメディアに着弾させることで高画質を実現。また、高精細なプリントに効果的な最小6pl※4から、高速でプリントする際に力を発揮する最大24pl※4サイズのドロップも正確に着弾させます。高精細で美しいプリントから、生産性を求められる高速プリントまで状況に応じて最適なプリントを可能にします。
※4:Sb420インクの場合。搭載インクにより変化します。

2)安定した高画質プリントを可能にする『MAPS4』

通常、パスの境界は直線になるため少しのズレにより、横シマが出るバンディングや、色ムラの原因になります。「MAPS4」(Mimaki Advanced Pass System 4)ではパスの端を拡散させ、境界線をグラデーションのようにすることでバンディングや色ムラの発生を軽減し美しいプリントを実現します。


MAPS4あり


■MAPS4あり
パスの境界を拡散させるのでバンディングや色ムラを軽減して美しい画質を実現。


 


MAPS4なし

■MAPS4なし
パスの境界線でバンディングが発生。横スジや色ムラが入るため著しく画質を損なう。


4.「仕事を止めない」連続運転ソリューション


インクやメディア切れ、ノズル抜け等、生産性を維持するために懸念される項目は多くあります。
Tx300P-1800では様々な技術をまとめて連続運転をサポートいたします。

1)自動でノズル抜けを検出、クリーニングする
 『NCU(Nozzle Check Unit)』

ノズルの状態をセンサーが自動で検知します。ノズル抜けを発見した場合は自動でクリーニングを実行しノズル抜けの解消を行います(図6)。ノズルの状態を確認するタイミングは作図データごと、時間単位で設定が可能。連続出力時のノズル抜け発生以降の出力物を全て無駄にすることを未然に防ぎます。

2)生産性を維持するための
 『NRS(Nozzle Recovery System)』

クリーニングしても改善されないノズルトラブルはサービスマンによる修理が必要になり、それが終わるまではプリンタを停止する必要がありました。『NRS』は『NCU』が発見し、クリーニングでも改善できなかったノズル抜けを別のノズルで代替してプリントします。サービスマンによる修理を待つ必要なく生産を再開できます。※5
※5:プリントモードによってNRSを使用できない場合があります。


NCU と NRS

 


3)長時間運転を可能にする
 『MBIS3(Mimaki Bulk Ink System 3)』

2Lの大容量アルミパックからインクを供給することで長時間の連続運転を可能にすると共にインクの単価を下げ、ランニングコストを削減いたします。


MBIS3 Tx300P-1800

5.豊富な捺染インク


用途に合わせて5種類の捺染インクをラインナップ予定。※6

 種別名称インク種特長用途例染色可能備考
1 昇華染料 Sb420 Bl, M, Y, K, Lbl, Lm ダイレクト昇華専用インク。昇華転写紙が必要なく、布に直接プリントが可能 ソフトサイン ポリエステル  
2 分散染料 Dd400 C, M, Y, K, R, Gr, Violet, Pink プリント後に高温加熱して染着させる事で高い堅牢度が得られる 工業用テキスタイル
高級アパレル
ホームファニシング
ポリエステル、ナイロン、アセテート 等 後日対応予定
3 捺染顔料 TP400 C, M, Y, K, Bl, R, Lk, Gr 蒸し、洗い、乾燥の処理が必要なく、プリント後は熱定着工程のみでよく、後工程の設備が簡素化できる ホームファニシング 綿、麻 等 後日対応予定
4 反応染料 RC400 C, M, Y, K, Bl, R, Or, Lk 染料分子が繊維と結合することで、耐水性、耐擦過性、耐光性にすぐれ、染料ならではの高発色、高い色再現性に優れる アパレル
ホームファニシング
綿、麻、シルク、レーヨン 等 後日対応予定
5 酸性染料 AC400 C, M, Y, K, Bl, R, Or, Lk 動物性素材やナイロン等のタンパク質性の化学繊維を高発色で染色 アパレル
ホームファニシング
羊毛、皮革、シルク、ナイロン 等 後日対応予定

※6:プリンタ購入時に使用するインクをお選びいただきインクの充填を行います。充填後はお選びいただいたインク以外は使用できません。

6.高機能RIPソフトウエア『TxLink3 Lite』

1)色置換機能

各色のインク量を指定することで理想に近い色味を表現できます。

①希望する色味に近づける

出力物が目的の色味と異なる場合、色置換機能でより理想に近い色味を表現できます。コーポレートカラー等をプリントする際にも重宝します。


①希望する色味に近づける

②ラスターデータの色置換で広がるカラーバリエーション

簡単な操作で色置換が行えるためカラーバリエーションをRIPで作成できます。ベクターデータだけでなくラスターデータの置換も可能なのでカラーバリエーションの作成が容易に行えます。


②ラスターデータの色置換で広がるカラーバリエーション

2)ステップ&リピート機能


小さな画像を隙間なく繰り返して自動配置することで1枚の大きなリピートデザインを作成できます。デザイン作成に効果的なリピートパターンとミラーパターンをご用意しました。



3)多色ICCプロファイル作成

ウィザードに沿った簡単な操作でICCプロファイルが作成できます。
目的の色に合わせてICCプロファイルが作成できるので簡単に必要な色味を表現できます。


ICCプロファイル未使用時 / ICCプロファイル使用時

カラープロファイル作成手順

◎主な仕様

項目Tx300P-1800
プリントヘッド オンデマンドピエゾヘッド(4ヘッドインライン)
プリント分解能 360dpi、540dpi、720dpi、1,080dpi、1,440dpi
最大作図幅 1,920mm
最大メディア幅 1,920mm
インク種類/色 昇華染料:Sb420(Bl, M, Y, K, Lbl, Lm)
分散染料:Dd400(C, M, Y, K, R, Gr, Violet, Pink)※7
捺染顔料:TP400(C, M, Y, K, Bl, R, Lk, Gr)※7
反応染料:RC400(C, M, Y, K, Bl, R, Or, Lk)※7
酸性染料:AC400(C, M, Y, K, Bl, R, Or, Lk)※7
容量 2Lインクパック
メディア厚み 1.0mm以下
ロール重量 40kg以下
※プリント後重量、使用インク重量を含む最大巻取り可能重量
適合規格 VCCIクラスA / FCC クラスA / UL 60950-1準拠 ETL /
CEマーキング(EMC指令、低電圧指令、機械指令、RoHS指令)/
CB認証 / REACH / エナジースター / RCM
インターフェイス USB 2.0 Hi-speed / Ethernet 1000BASE-T
電源仕様 単相AC100~120V / AC200~240V
消費電力 (AC100V)1.44kW / (AC200V)1.92kW
動作環境 使用可能温度:20℃~30℃、湿度35~65%Rh(結露なきこと)
外形寸法(W×D×H) 3,200mm × 965mm × 1,857mm
重量 255kg

※7:後日対応予定
※記載の仕様、デザイン、寸法などは、技術改善等により予告なく変更する場合があります。

◎販売予定価格

Tx300P-1800(RasterLink6 同梱モデル) 348万円(税別)
Tx300P-1800(TxLink3 Lite 同梱モデル) 378万円(税別)

◎販売開始

2015年12月

◎販売予定台数

300台/年(全世界)

◎お問い合わせ先

株式会社ミマキエンジニアリング
グローバルマーケティング部 所 康武
住所:長野県東御市滋野乙1628-1
TEL:0268-64-2281 / FAX:0268-80-0041


Return to Content

ページの先頭へ戻る