3.2m幅スーパーワイド昇華転写インクジェットプリンタ
「高生産」を活かす「安定性」
株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/小林 久之)は、インテリア・テキスタイル向け3.2m Roll to Roll水性昇華転写用インクジェットプリンタ「TS500P-3200」の販売を2016年2月より開始いたします。
インテリア・テキスタイル市場では、短納期・少量多品種のニーズに合わせ、生産コストの安い地域でのアナログ印刷による大量生産から、消費地近くでのオンデマンド生産が可能なデジタルプリントへの移行が加速すると当社は考えております。さらに、カーテン、ソファー、ベッドカバー等、インテリア・テキスタイル市場では広幅の昇華転写プリントが必要になります。また、これまでソルベントインクで塩ビシートにプリントされていた大型の屋内サインも、軽くコンパクトに折り畳め輸送時の環境不可が少なく、施工後にVOC(揮発性有機化合物)が出ない環境に配慮した布にプリントしたソフトサインに置き換わりつつあり、広幅の昇華転写プリンタの需要は高まっております。
『TS500P-3200』は新型ヘッド全12基を4基ずつ3スタガで配列することで最高180m2/h(※1)の高速プリントを実現しました。新規設計のAMF(Auto Media Feeder)を搭載し、180m2/hの高速プリント時にも転写紙を安定して搬送することで高画質プリントを維持します。また、吐出するインクのスピードを速くし直進性を高める新型ヘッドにより、安価な薄い転写紙を使用する際にヘッドギャップを高くしても着弾精度を落とさず高画質でのプリントが可能です。さらに、パスの端を拡散させ、境界線をグラデーションのようにプリントする「MAPS4」(Mimaki Advanced Pass System 4)を搭載することで、バンディングや色ムラの発生を軽減し美しいプリントを実現します。
最大3.2m幅の昇華転写紙へプリントが可能な『TS500P-3200』は、カーテン、ソファー、ベッドカバーといった広幅の生地が必要なインテリア・テキスタイル市場や、急速に普及している屋内ソフトサインでお使いいただける、美しいプリントと、「高生産」を活かす「安定性」を備えた3.2m幅スーパーワイド昇華転写インクジェットプリンタです。
※1:180m2/h:4色ドラフトモード 360×360(HQ)dpi 2Pass
◎概要
- 3.2m幅スーパーワイド昇華転写プリンタ
・3.2m幅の昇華転写紙にプリントが可能。カーテン、ソファー、ベッドカバーなど幅の広いインテリア・テキスタイルの生産に最適です。 - 最大180m2/hの高速プリントで高い生産性を実現
・4色インクセットで最大180m2/h(※1)、6色インクセットでも最大105m2/h(※2)の高速プリントがオンデマンド生産を後押しします。
※1:180m2/h:4色ドラフトモード 360×360(HQ)dpi 2Pass
※2:105m2/h:6色ドラフトモード 540×360dpi 4Pass - 3.2m幅への高速・高画質プリントを実現する新型ヘッド&安定搬送機構
・インクの吐出スピードを上げる事でハイギャップでも高速・高画質プリントが可能な新型ヘッドを12基搭載。
・3.2m、130kgメディアを安定して搬送することで高画質プリントを継続しておこなえるAMF(※3)を搭載。
・プリント部分でのコックリング(※4)を軽減する安定搬送機構を搭載。高速・高画質プリントを後押しします。
※3:Auto Media Feeder テンションバーにより最適なテンションをかけることで安定したメディアの搬送を実現します。
※4:コックリング インクを吸った転写紙が波打つ現象。ヘッドギャップが低いと転写紙とヘッドが干渉してプリント不良、ノズル抜け等の原因になる。 - 「仕事を止めない」連続運転ソリューション
・『NCU』がノズル抜けの検出からクリーニングを自動で行います。クリーニングでも復旧しない場合は『NRS』が自動で代替ノズルを設定してプリントを再開します。ノズル抜けによるメディアのロスを最少に抑え、高品質での生産を自動で継続します。
・3L大容量インク供給タンクシステムを搭載。長時間の連続運転中でもインクの補充が可能です。
◎主な特長
1.3.2m幅スーパーワイド昇華転写プリンタ
『TS500P-3200』は最大3,300mmまでの転写紙に3,290mm幅のプリントが可能。同じ柄で統一する事が多いインテリア・テキスタイルにおいてカーテン、ベッドカバー、ソファー、絨毯、クッションカバーなど、これ1台でプリントすることができ、色味が合ったプリントが可能です。
■イメージ
ベッドカバー、クッション、カーテンの柄を合わせて生産が可能。
2.3.2m幅の転写紙に最大180m2/hの高速プリントで高い生産性を実現
プリントヘッド12基を4基ずつ3スタガ配列することでプリントの高速化をはかりました。生産性を重視したドラフトモード(最大180m2/h)の高速プリントから、品質を重視した高画質モードまで仕事に合わせたプリント速度の設定が可能です。
3.3.2m幅への高速・高画質プリントを実現する新型ヘッド&安定搬送機構
昇華転写紙へのプリントでは、インクを吸った転写紙が波打つコックリングが生産性やプリント品質を落とす要因になります。『TS500P-3200』ではコックリングの発生を軽減する搬送機構を搭載するとともに、ハイギャップでプリント可能な新型ヘッドにより、コックリングが発生してもヘッドと転写紙が干渉することなくプリントが行えます。コックリングが原因で、高画質でのプリントが難しかった薄く安価な転写紙から、濃度が必要なため、大量のインクを吐出することでコックリングが発生しやすい厚い転写紙まで高画質のプリントが可能です。『TS500P-3200』は用途に応じた転写紙を安心してお使いいただけます。
1)コックリングが発生しても高画質プリントを実現するハイギャップヘッド
コストが安い薄手の転写紙にプリントする場合コックリングが発生しても良いようにヘッドギャップを高く設定する必要がありました(図2)。しかし、ヘッドギャップを高くするとインクの着弾精度が落ち高画質でのプリントは困難です(図3)。『TS500P-3200』では、吐出するインクのスピードを速くすることで直進性を高め、ヘッドギャップが高くても着弾精度を落とさず高画質でのプリントが行える新型ヘッドを搭載しました(図4)。
2)コックリングの発生を緩和する搬送機構
①プラテンのバキューム機構によりメディアの浮きを抑制し、コックリングの発生を緩和します。
②新規設計のAMF(Auto Media Feeder)機構を送り出し・巻取り両方に搭載し、薄くて腰の弱いメディアや、重量のあるメディア(最高130kg)に適切なテンションを自動でかけることで高精度な送り出しと巻取りを実現して高品質なプリントが可能です。
③プリント後インクの乾燥を促進させるポストヒーターを上下2セット搭載し、それぞれ独立した温度設定が可能。ポストヒーター1の温度を低く設定することでインクを徐々に乾燥させコックリングの発生を抑制します。
4.美しさを追求するMimakiのプリント技術
1)美しいプリントを実現する波形コントロール技術
インクは色によって比重と粘度が異なりますが、吐出時の波形をコントロールすることでどの色のインクも真円に近い形状で真っ直ぐに吐出することを可能にしました。高精細なプリントに効果的な最小6plから、高速でプリントする際に力を発揮する最大24plサイズのドロップも正確に着弾させます。高精細で美しいプリントから、生産性を求められる高速プリントまで状況に応じて最適なプリントを可能にします。
2)安定した高画質プリントを可能にする『MAPS4』
通常、パスの境界は直線になるため少しのズレにより、横シマが出るバンディングや、色ムラの原因になります。「MAPS4」(Mimaki Advanced Pass System 4)ではパスの端を拡散させ、境界線をグラデーションのようにすることでバンディングや色ムラの発生を軽減し美しいプリントを実現します。
5.「仕事を止めない」連続運転ソリューション
インクやメディア切れ、ノズル抜け等、生産性を維持するために懸念される項目は多くあります。
TS500P-3200では様々な技術をまとめて連続運転をサポートいたします。
1)自動でノズル抜けを検出、クリーニングする
『NCU(Nozzle Check Unit)』
ノズルの状態をセンサーが自動で検知します。ノズル抜けを発見した場合は自動でクリーニングを実行しノズル抜けの解消を行います(図7)。ノズルの状態を確認するタイミングは作図データごと、時間単位で設定が可能。連続出力時のノズル抜け発生以降の出力物を全て無駄にすることを未然に防ぎます。
2)生産性を維持するための
『NRS(Nozzle Recovery System)』
クリーニングしても改善されないノズルトラブルはサービスマンによる修理が必要になり、それが終わるまではプリンタを停止する必要がありました。『NRS』は『NCU』が発見し、クリーニングでも改善できなかったノズル抜けを別のノズルで代替してプリントします。サービスマンによる修理を待つ必要なく生産を再開できます(※5)。
※5:プリントモードによってNRSを使用できない場合があります。
3)長時間運転を可能にする『内蔵インクタンク』
3Lの大容量インク供給タンクシステムを搭載。プリント中でも必要に応じてインクを補充できるので長時間の連続運転が可能になります。また、プリントキャリッジ内に脱気モジュールを搭載。インク工場での脱気工程を省いた未脱気インクを2Lボトルでご提供することでコストダウンを実現しております。
6.プリントから昇華転写機までをトータルで提案
当社ではプリント後の昇華転写で必要になる昇華転写機をセットにしたシステムソリューションを提案いたします。転写機のトップメーカーとして世界の70カ国以上で1万社以上に愛用されているモンティアントニオ社の転写機を国内代理店として販売しております。当社が販売したモンティ社の昇華転写機はプリンタ同様、当社のカスタマーエンジニアがサポートを行います。全国14拠点のサポート体制と、プリンタ・昇華転写機を一貫してサポートすることでお客様により安心してお使いいただける環境を整えております。
Mod.901-3600 | |
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最大転写有効幅 | 3,400mm |
シリンダー幅 | 3,600mm |
シリンダー直径 | 350mm |
最大温度 | 230℃ |
外径寸法 | W5,050 × D1,950 × H2,100mm |
本体電源 | 3層 400V |
7.高機能RIPソフトウエア『TxLink3 Standard / Professional』
1)色置換機能
各色のインク量を指定することで理想に近い色味を表現できます。
①希望する色味に近づける
出力物が目的の色味と異なる場合、色置換機能でより理想に近い色味を表現できます。コーポレートカラー等をプリントする際にも重宝します。
②ラスターデータの色置換で広がるカラーバリエーション
簡単な操作で色置換が行えるためカラーバリエーションをRIPで作成できます。ベクターデータだけでなくラスターデータの置換も可能なのでカラーバリエーションの作成が容易に行えます。
2)ステップ&リピート機能
小さな画像を隙間なく繰り返して自動配置することで1枚の大きなリピートデザインを作成できます。デザイン作成に効果的なリピートパターンとミラーパターンをご用意しました。
3)多色ICCプロファイル作成
ウィザードに沿った簡単な操作でICCプロファイルが作成できます。
目的の色に合わせてICCプロファイルが作成できるので簡単に必要な色味を表現できます。
機能 | TxLink3 Standard | TxLink3 Professional | RasterLink6 |
---|---|---|---|
プリンタ接続可能台数 | 1台 | 1台 | 4台 |
拡張色対応数 | 最大4色 | 最大4色 | 最大3色 |
色置換(ベクターデータ) | ○ | ○ | ○ |
色置換(ラスターデータ) | ○ | ○ | × |
色置換(カラーピッカー) | ○ | ○ | × |
色置換(ターゲット測色) | ○ | ○ | × |
色置換(スウォッチブック) | ○ | ○ | × |
色置換(ネームドカラー) | ○ | ○ | ○ |
プロファイル作成 | ○ | ○ | × |
ステップ&リピート | ○ | ○ | ○ |
カラーコンバイン | × | ○ | × |
バリアブル印刷 | ○ | ○ | × |
インクスロットのカラー割当 | ○ | ○ | × |
縫い代付加 | ○ | ○ | × |
◎主な仕様
項目 | TS500P-3200 | |
---|---|---|
プリントヘッド | オンデマンドピエゾヘッド(3スタガ配列) | |
プリント分解能 | X:360dpi、540dpi、720 dpi、1,080dpi Y:360dpi、540dpi、720 dpi | |
最大作図幅 | 3,290mm | |
最大メディア幅 | 3,300mm | |
インク | 種類/色 | Sb310(Bl, M, Y, K, Lbl, Lm) |
容量 | 2Lインクボトル(本体インクタンク容量は各色3L) | |
インクセット | 4色:Bl, M, Y, K 6色:Bl, M, Y, K, Lbl, Lm |
|
RIPソフトウエア | RasterLink6, TxLink3 Standard, TxLink3 Professional ※6 | |
メディア厚み | 0.2mm以下 | |
ロール重量 | 130kg以下 | |
適合規格 | VCCIクラスA / FCC クラスA / UL 60950-1準拠 ETL / CEマーキング(EMC指令、低電圧指令、機械指令、RoHS指令)/ CB認証 / REACH |
|
インターフェイス | USB 2.0 Hi-speed / Ethernet 1000BASE-T | |
電源仕様 | 単相AC200~240V±10% | |
消費電力 | 7,200VA以下 | |
動作環境 | 使用可能温度:20℃~30℃、湿度35~65%Rh(結露なきこと) | |
外形寸法(W×D×H) | プリンタ本体:5,620mm × 1,800mm × 1,820mm インク供給ユニット:950mm × 510mm × 730mm |
|
重量 | プリンタ本体:1,500kg、インク供給ユニット:30kg |
※記載の仕様、デザイン、寸法などは、技術改善等により予告なく変更する場合があります。
※6:TxLink3 Liteは使用できません。
◎販売予定価格
TS500P-3200(RasterLink6 同梱モデル) 2,100万円(税別)
TS500P-3200(TxLink3 Standard 同梱モデル) 2,180万円(税別)
◎販売開始
2016年2月
◎販売予定台数
50台/年(全世界)
◎お問い合わせ先
株式会社ミマキエンジニアリング
グローバルマーケティング部 所 康武
住所:長野県東御市滋野乙1628-1
TEL:0268-64-2281 / FAX:0268-80-0041