データを準備しよう!
デジタル蒔絵・箔加工をするには、ひとつのデザインにつき、カラーデータと2階調のモノクロデータが必要です。データの準備についてはHow to UVプリント「2階調データ作成」編をご覧ください。
※今回作成したサンプルは、ライオンの写真を使用しているため、Photoshopで編集しましたが、ロゴ等のベクターデータを使用する場合は、Illustratorでの編集だけでもOK。その場合は、箔や銀粉・金粉で表現したい部分の「塗り」の色を黒一色で統一します。
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RIP処理
ミマキのRIPソフト「RasterLink」を使ってプリントする。
RIP とは、Raster Image Processorの略で、簡単に言うと作ったデータをキレイ&正確にプリンターに送るためにデータを変換する技術のこと。
Raster Linkはそれをソフト上で行うことができるので「ソフトウェアRIP」と呼ばれています。
さらに、ミマキのプリンタを最大限活用するために様々な設定をこのソフト上で行うことができるのです。
RasterLinkの詳しい解説はこちらのページをご覧ください
治具プレートとケースにナンバリングしよう
スマートフォンケースを治具にはめる前にまずは治具プレートとiPhoneケースにそれぞれ共通の番号をつけておきます。
これは治具プレートのセットする場所によってわずかに生じるズレを防ぐため。
せっかくカラー版、モノクロ版をピッタリ作ってもプリントの時にずれてしまっては台無しです!
こういう一手間がクオリティーの高い作品作りの第一歩です。
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いよいよプライマーをプリント
治具にケースをセットし、プライマーをプリントします。
治具にスマートフォンケースをセットしたら、一度アルコールなどで指紋やホコリを拭き取りましょう。
UJF-3042HGをリモートにしていざプリント!ケースが白いのでプリントされた箇所があまり良く見えませんが、右下の写真、わかりますか?くっきりとライオンのハイライト部分とミマキのロゴが!
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しっかりと力を加え、転写するための“台"をセット
プリントできたプライマーは完全に硬化しきっていない、言わば半乾き状態です。この状態で箔を転写するのですが、このケースのように立体的な対象物の場合、転写の際にしっかりと力を加えるために裏側にスマートフォンと同じサイズの台を入れましょう。ぴったりなサイズでなくてもOKです。作業の際は、手袋を装着してください。
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箔を乗せて転写する
ケースよりも若干大きく切り取った箔シートをケースの上にセットし、ケースが動かないように支えながら・・・リベットブラシでゴシゴシ擦るべし!結構強くこすっても破れたりしないので思い切ってこすりましょう。
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箔シートを剥いでみると・・・
左下図がリベットブラシを使って転写した状態です。このくらいプライマーの影がシートの上からわかるようになってきたらもう充分でしょう。そ~っとシートを剥いでみましょう。
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金以外にも、銀やホログラムの箔を取扱い予定です。ぜひいろいろなパターンを試してみてください。
左下:ホログラム
右下:銀
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箔の上からカラープリント
箔を転写したケースを再度UJF-3042HGにセットし、次はこの上にカラーをプリントしていきます。 箔の上からカラープリントをすることで、メタリックカラーが表現できます。同じ"赤"をプリントしたとしても、金箔の上と銀箔の上では微妙に色が変わってきます。その違いは…実際に作ってみて、お確かめください。
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仕上げにクリアインクをプリント
最後にプライマー版と同じデータでクリアインクをプリントし完成です!
クリアインクをプリントすることで箔の表面をコートすると共に、更にエンボス感が増し、質感がアップします。仕上がりの風合いは動画をご覧ください。
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その他にも工夫次第で様々な表現が可能です。ぜひ色々なモチーフやデザインでチャレンジしてみてください。
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仕上げをクリアインクではなくドーミングにする
表面張力を使用した特殊樹脂加工“ドーミング"
“ドーミング"とは特殊なウレタン樹脂を表面張力を利用して対象物にポッティイング(垂らす)する加工技術のこと。
クリアインクをプリントする代わりにドーミング加工をすると、立体的で艶のある質感を加えることができます。
加工方法ごとの仕上がりを比較してみよう!
掲載されている内容について
- 仕上がりは環境により異なります。事前に必ずテストを行ってください。
- 掲載されている内容は予告なく変更となる場合があります。