「白井ゆみ枝 上田全天氣候展」にて作品『風幕(おとまく)』のプリントに協力

コラボレーション
MIMAKIの取り組み
アーティスト 白井 ゆみ枝 様 サントミューゼ 上田市立美術館
作品『風幕(おとまく)』のプリントに協力させていただきました。

使用した製品

「作品制作に参加していただけませんか?」上田市在住アーティスト・白井ゆみ枝さんが初めて当社を訪れたのは昨年(2016年)の夏。展覧会で作品を囲うように吊るす大きな幕に絵をプリントしたい、そしてそれはすでにある作品ではなく、ミマキのプリンタの特性やプリントできる素材に合わせた作品を描きたい、というお話をいただきました。そこで当社で最大のプリント幅3,2mを誇るインクジェットプリンタ「TS500P-3200」を使用した昇華転写プリントをご提案させていただきました。サンプル作成を通して、当社のプリンタの特性を感じていただきながら白井さんが描いた絵を生地(ポリエステル)にプリントさせていただきました。


アーティスト・白井ゆみ枝さん

◆展覧会概要
●日程:2017年2月23日(木)~4月16日(日)
●休館日:火曜日
●会場:サントミューゼ 上田市立美術館 2階企画展示室
    長野県上田市天神3-15-15
●イベント詳細:白井ゆみ枝 上田全天氣候展
●観覧料(常設展を含む):当日/一般800円、高校生・大学生500円、小学生・中学生300円、未就学児無料リピート/一般600円、高校生・大学生300円、小学生・中学生100円


「白井ゆみ枝 上田全天氣候展」


ミマキが本社を置く東御市の隣、上田市で活動を続けるアーティスト白井ゆみ枝さんによる初の大規模個展「白井ゆみ枝 上田全天氣候展」。白井さんの故郷となる上田市の風土と気候、東西南北それぞれのイメージに重ね合わせて描いた作品を含む約50点が一堂に展示される。今回当社がプリントした「風幕(おとまく)」は、「北」をイメージしたエリアに展示。北極星と身体の中心を重ね合わせるようなイメージで描かれた油絵「たましいふゆる(2015)」を囲むように天井から吊るされ、会場の仕切りとして、そしてひとつの作品として大きく静かな存在感を放つものとなった。


風幕(おとまく)

風幕(おとまく)

【Interview】白井ゆみ枝さん


巨大幕に作品をプリント!
ミマキのプリンタだからできる作品を作りたい。

「ミマキさんの印刷物は、いろんな場所で目にする機会があって、大型のプリントもしているというイメージがあったので、展覧会のお話をいただいたときから一緒に作れたらいいなぁと思っていました。せっかくやるなら、いまある絵をスキャンして…というよりは、ちゃんとコラボレーションしたかったんです。作品のイメージは、「北」の作品を包むので上田の北にある太郎山と逆さ霧(※1)を表現したいなぁと、ぼんやり思っていました。どれぐらいの倍率で描く必要があるかもわかっていませんでしたが、サイズによって描く絵も変わってきます。黒の出方とか、鉛筆の線はどうなるかなとか、一つひとつお話をしながら描けたというのはおもしろかったと思います。」

※1:“上田市民の山”と称されるほど、上田市民になじみ深い山。また、「逆さ霧」とは太朗山の山脈に雲が被り、滝のように流れ下る層雲のこと。


1/10サイズで描かれた原画(原画サイズ:縦44.0㎝×横151.8㎝)


高画質だから現れた無意識のノイズ。
風幕(おとまく)のイメージと重なったんです。

「原画は、鉛筆とアクリルの絵具で描いています。大きい筆でバーッと描いたわけではなく、かなり細い筆で細かくペタペタと塗っています。大きいものを小さくプリントすると、密度が高くなって仕上がりも良くなりますが、今回はまったく逆。1/10サイズで描いた絵を大きくプリントするので、想像以上に線が荒くなるかな…とか、正直不安もありました。でも実際にプリントしたものを見ると、白の絵具で塗った質感や、その凹凸、紙の質感まで現れていて、そこにこの作品らしさを感じました。」


高画質プリントによって、細かい筆の動きや、質感まで現れた作品が完成

縦4m×横12.9mという大型の作品。布のカットや縫い合わせもひと部屋まるごと使う大がかりな作業に

「絵を描いていくなかで、風が吹いているようなイメージがいいなと思い始めて、カーテンの中にさらにカーテンがなびいているような絵を描きました。でも“かぜまく”(風幕)という名前だとなんかピンとこないなぁと。そんなとき、昔、風は音として捉えられていて、風という字を“おと”と読ませていたことを知りました。さらにプリントした幕をみたら、細かく描いた絵を拡大してプリントしたことで、普段は目に見えないような線や質感だけでなく、鉛筆のカスや細かなゴミまで現れていて、それがまるで“ノイズ”のようで。“おと”と“ノイズ”。私の中ですごくピンときて、作りたかったイメージにぴったり。高画質なプリントだからこそ、普段はあるのに見えない無意識のものまで忠実に現れて、作品として存在したというのがおもしろいですよね。想像以上に新鮮な驚きをいただきました。ほんとうに!」


風幕(おとまく)

会場内の仕切りとして、ひとつの作品として
会場と調和する“引いた存在感”。


「油絵の作品は、描いたそのままの力強さがありますが、プリントの質感は逆ですよね。イメージだけ伝わってくるものというか。
今回の主役はあくまで油絵。この幕は会場のメインではないんですが、すごく重要なんです。幕まで手で描いてしまうと圧迫感が出てしまうので、プリントのならではのペターっとした“引いた存在感”がとてもよかったかなと。会場のバランスに合わせた作品に仕上がったと思います。ぜひ、いろんな角度でご覧ください。」



白井ゆみ枝


上田市真田町生まれ。個展、グループ展の活動の傍ら、装丁やイラストも手がける。2010年から詩人・高橋久美子(ex. チャットモンチー)と「ヒトノユメ」展を東京、徳島、愛媛で開催。2013年「ヒトノユメ in 長野」を上田市にて開催。子どもたちや学生とのワークショップ、まちあるきマップの企画制作など、地域に住む人とともにつくりだす活動も手がけている。


白井ゆみ枝

今回の使用製品


美しいプリントと高生産を活かす安定性を備えた、3.2m幅スーパーワイド昇華転写インクジェットプリンタ。サイン用途からインテリアファブリック制作まで、ワイド幅を活かした幅広いプリントが可能です。

TS500P-3200|製品ページ


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使用した製品

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