有限会社小川テキスタイル(東京都千代田区):JV300(昇華転写モデル)

課題
改善
外注での試刷りにかかる時間や金額等のコスト削減。また、制限の多いテキスタイルデザインの可能性を模索。
試刷りの内製化により時間・金額面のコスト削減に加え、提案の質も向上。デジタル化により新しいテキスタイルデザイン表現の可能性が無限に広がっている。

内製化で新たなビジネスチャンスを掴む


小川 周志 代表取締役

小川 周志 代表取締役

JV300(昇華転写モデル)導入の決め手

  • 前機種からの信頼
  • 出力スピードの改善と安定した品質


MIMAKIとの出合いはまったくの偶然。


MIMAKIのインクジェットプリンタを知ったのは、今から9年ほど前のことです。知り合いの商社から、「ポリエステルへ転写できるマシンがあまり稼動していないので使ってみないか」と言われて。ポリエステル生地へのデザイン経験はありましたし、これからのテキスタイルデザインの可能性としてインクジェットプリントは「あり」だなと感じたので、そこからいろいろと試し始めました。

当時はまだインクジェットプリンタを導入しているところは少なかったのですが、試作品を作ってお客様に見せたところ反応が良く、実際のビジネスに直結したので「これはもう内製化しよう」と決断。8年前に自社でMIMAKIのインクジェットプリンタを購入しました。

といっても最初は試行錯誤の連続でしたね。それまでに培ってきた自らの知識と経験を活かしながら、新たなノウハウを蓄積していきました。


テキスタイルデザイナーとして
試刷り(しずり)ができるのが最大の魅力。


インクジェットプリンタの導入メリットはいろいろと挙げられますが、デザイナーの視点から見た最大の魅力は、「試刷り」が自分でできることです。

それまで試刷りはすべて外注の染色工場に出すしかありませんでした。型から作るため、時間もお金もかかるのは当然のこと。一発でOKが出ればまだいいですが、発色や色のニュアンスなどで何回も刷り直すこともあるわけです。そうすると「これ、最終的にどれくらい刷ってくれるの」という話になる。まあ、当然ですよね。

それがインクジェットプリンタでは、デザインしたデータを見本サイズで出力し、自分で転写して実物の見本が作れるわけです。生地の違いや色のニュアンスの違いなど、一度にいくつかのバリエーションを制作することもできるので、お客様への提案の幅も広がりました。実物を見ながらの打ち合わせはお客様のジャッジも早く、最終納品の際に「イメージと違う、色が違う」といったトラブルもありません。時間・コスト・クレームといった視点から見ても、プリンタとプレス機を導入して試刷りを内製化したのは正解だったと思っています。


テキスタイルデザイン

一度にいくつかのバリエーションを制作

デザインの可能性を追求できる
JV300シリーズ。


JV300(昇華転写モデル)

JV300を導入したのは4年前。このマシンにしてからトラブルが格段に減りましたね。ノズル抜けを自動で検出してリカバリーするなど、連続運転にも耐えてくれます。出力速度も早くなりましたし、発色も従来に比べて格段に良くなりました。私は前機種からずっとMIMAKIユーザーなので、技術の進歩がそのまま自分のビジネスの向上につながっています。

また、お客様からの再注文の際に色が変わらないということも、MIMAKIを信頼する大きな理由です。小ロットの発注に応えられるのがインクジェットプリンタの良さですが、時期をずらして再出力する際、色が転んでしまうというリスクがあります。アパレルのお客様はやはり色に厳しい方が多いので、微妙な色の違いもすぐに気づき、信用を失ってしまいます。MIMAKIのインクジェットプリンタは、正しい環境下のもと同じマシンで出力すれば、同じ色調のものがきちんと仕上がります。常に安定して高い品質を保てるということは、ビジネスを続けていく上で非常に重要なポイントだと思います。

テキスタイルデザインの世界も他の業界と同様に、デジタルになったことで無限の可能性が広がったと感じています。これまでは刷りの色数や柄のサイズなどどうしても制限がありましたが、デジタル化されたことで色制限は無いに等しく、2mを越えるグラデーションも可能になりました。今まで出来なかったことに挑戦できるのは、デザイナー冥利につきますね。


業界全体の活性化に
自分の新たな役割を見いだす。


小川 周志 代表取締役

この仕事は終わりが無いから楽しいんです。常に新しい流行が生まれ、世界中に発信されていく、その一翼を担っているという自負もあります。糸も生地も次々と新しいものが開発されていますし、MIMAKIのプリンタも更に技術開発が進めば、現状ではまだ難しい色域の再現も可能になってくることでしょう。

その大きな流れの中で、今後自分のすべきことは何かを考えた時、やはり思うのは業界の活性化です。アパレル大手が生産の拠点を海外に移している状況の中で、いかにテキスタイルデザイナーの可能性を光らせ、成功事例を見せることができるのか。デザイナーとしてのセンスと職人としてのこだわりを持った人材が増えれば、おもしろいことが起きるような気がしています。インクジェットプリンタの先駆者として、自分のリアルな仕事の姿をすべて見せる「動くショールーム」プロジェクトを、MIMAKIさんと一緒にできれば嬉しいですね。


有限会社小川テキスタイル


1994年1月に設立。インクジェットプリンタを駆使したオリジナルテキスタイルの提案をはじめ、アパレルデザイナーからの依頼も数多く手掛ける。デザイナーの思い描くイメージを具現化しつつ、テキスタイルならではの技術や知識を付加して、お客様が求める以上のデザインを提案し続けている。

<導入製品>
昇華転写インクジェットプリンタ:JV300 Series 2台
昇華転写プレス機:Monti Mod.120-T
プリント&カット対応インクジェットプリンタ(ソルベント):CJV150-75


企業・団体プロフィール

  • 名称有限会社小川テキスタイル
  • 業種独自オリジナルテキスタイルプリント作成、アパレル向けオリジナルプリント作成
  • 住所本社:東京都千代田区岩本町2-16-2 リブラ岩本町2F
    第2事務所:東京都千代田区岩本町2-17-17 中山ビル1F
  • 電話番号本社:03-3861-4704 第2事務所:03-5829-8398
  • URLhttp://www.ogawa-tex.co.jp/
Return to Content

ページの先頭へ戻る