フラグシップモデル「JV330-130」などミマキ製品を活用してラッピングに特化
(株)チームは約20年前、善友印刷(株)の一事業部として誕生。その後2009年に分社化し独立。関東で大判プリントから、施工までを一貫して行える会社として知られている。
今回は独立後から同社を率いた井上裕介社長に話を聞いた。
JV330-130導入の決め手
- 高画質・色味の安定性
- 高速プリントで制作期間が短縮
- 使い慣れたRIPソフトの操作性
インクジェットプリンタ導入へ
当社は善友印刷の一事業部として社の歴史が始まりました。事業部誕生には、私はまだ入社していなかったのですが、初期の大判プリントでは主流だった静電プリンタを設備して出力していました。
私が入社した時も、印刷会社が新たな柱を大判プリントに求めて進出したという状況で、私も印刷の営業担当として入社し、印刷と大判プリントの営業の両方をしていました。
大判プリントの営業をしているうちに、静電プリントはトナーとメディアのコストが高く、生産性も低いため、時代に合わないものだと分かってきました。実際、大判プリントの仕事はそれほど受注できず、収益性も低いものでした。
そこで溶剤系インクジェットプリンタについて調べたところ、本体やインク、メディアも安価で、「これなら収益性が見込める」と考えました。実際に導入したところ、リース価格は10分の1以下になり、メディアも安価なものが手に入るようになったのです。
そこから、事業部の売上が右肩上がりになり始め、仕事も次々に舞い込みました。
ミマキエンジニアリングのプリンタも、そのころに導入しています。
大判プリントの専門会社に
独立してからの(株)チームの仕事のスタンスは「なんでも引き受ける」という感じでした。
テレアポもしましたし、善友印刷時代からのお客様もおり、徐々に増える顧客と仕事に当時の社員4人が休みなく対応し、売上を増やしていきました。
しかし、仕事を入れすぎたせいで、休みもなく、深夜までの作業が続いたことから、弊害が出て何人かの社員が会社を離れました。
これを反省し、約8年前に仕事のやり方を変え、土日はほぼ休み、毎日午後6時までに帰ろうという方針にしました。
この方針というのは、仕事内容を、付加価値が高く、当社の技術が活きる内容に絞り、それを認めてくれるお客様に対して手厚くサービスするというものです。
中でもカーラッピングを中心としたラッピング事業に関しては、特に当社の方針とマッチして柱の事業となりました。
ミマキのプリンタは、短時間に、早く仕事を終わらすという方針の中で、高い生産性と安定性で当社の期待に応えてくれました。
「JV330-130」導入は絶対の信頼
今年(2022年)の4月末、「JV330-130」を導入しました。
私は、もともとミマキさんのファンですから、同社から新しいインクジェットプリンタが出ないのかと常にウォッチしている状態でした。
先ほど言ったように、創業時に導入したプリンタから、非常に安定して出力でき、仕事を助けてくれたので、それからはミマキのプリンタを中心に仕事を回していくスタイルになりました。
今も「JV300-130 Plus」や「JV300-130」「UJV55-320」などを設備していて、どれも安定稼働しています。
他社の溶剤系プリンタも入れてはみたのですが、ある仕事の出力で1カ月後に同じデザインの注文を受けた際、まったく違う色になってしまい調整もできませんでした。
ミマキのプリンタを使っていると、同じプリンタを使ったら同じ結果になるというのが、当たり前だと思っていたのですが、そのマシンは違ったようで、安心して仕事を任せられないものでした。
ミマキのプリンタではそういうことが起こりませんので、特にリピートがありそうな仕事は「ミマキのプリンタでやろう」という風になり、使う機会がさらに増えました。
一方、色が安定しないプリンタは使う機会が減り、立ち上げるのにヘッドの清掃やテストプリントなどに時間がかかるため、より使わなくなってしまいました。
「JV330-130」に関しては、新製品として発表されたのを見つけ、仕様を見た瞬間に、すぐに発注しました。もちろん、これまでの実績を踏まえてのことです。
同機に求めたのは、大判での高速プリント。ミマキが販売しているOKIの「M-64s」も保守期間がちょうど終わり、これに代わるマシンとして活用できると考えました。
「M-64s」も高速で、安定した出力を得られましたが、私はミマキのRIPソフトの方が好みで使いやすかったので、入れ替えを一番望んだのは私でした。
入れ替え後も、スムーズで使い慣れたRIPで出力できることに満足しています。
大量の仕事で力を発揮
当社にある「JV300」シリーズは、主力でカーラッピングの出力を行っていますが、出力速度は8色搭載時(C,M,Y,K,Lc,Lm,Lk,Or)で22.7㎡/hなので、大量発注の際には1週間以上、その仕事に占有されてしまうという悩みがありました。
「JV330-130」は、出力速度が4色搭載時(C,M,Y,K)は45.0㎡/hとほぼ2倍で、「M-64s」と同等であることから、大量の出力の際にはこのマシンを活用していきたいと思っています。
先ほどもお話したように、当社でもっとも強いのはラッピングの仕事ですが、その中でも特に多いのはタクシーやバスなどの商用車へのラッピングです。この仕事は1回の台数が多いケースがあるため、今後は「JV330-130」も活用し、「JV300」シリーズと使い分けていければとの計画です。
また、工事用仮囲いのラッピングなども当社で請け負う機会があり、こういった面積の大きな仕事も「JV330-130」が力を発揮するのではないでしょうか。
4月末の導入からテストしながら徐々に使い始めていますが、やはりミマキらしく一般的な出力モードで、品質が高く、安定しており、スピードが出るといった印象で、これは絶対、武器になると感じています。
実稼働は少ない時で1日20m、多い日には100mを超えることもあります。平米数が固まった仕事を受ける会社なら絶対に欲しい1台ですね。
イメージを形にするラッピング
ラッピングで最も難しいのは、所有者の愛着が強い個人の自動車への出力・施工ですが、当社では「痛車」と呼ばれるアニメや漫画、ゲームなどのキャラクターをラッピングする仕事も受注することがあり、こちらは「JV300-130 Plus」などを活用して行ってきました。
商用車、個人車にかかわらず、カーラッピングは、完成をイメージし、またお客様にもイメージしていただいてから施工することが大切です。
当社では、プリントデータを加工し、お客様の自動車に施工した状態のCGを作成することで、実際に貼った後のように見せられます。お客様にそのデータを見せると「もう貼り終わっているんですか?」とびっくりされることもあります。どの仕事も納得していただいた上で、貼り込むことから、もっとも難しい個人所有車でも非常に満足度は高く「あそこに頼めば間違いがない」と言われる仕上がりを提供できます。
納期は難しいものでもイメージの設定から、施工まで1週間から2週間程度です。
当社は、クルマのほかに、カップ自動販売機のラッピングも行っています。
お客さまには、自動販売機の大手企業様もおり、販売機の設置が推進されれば弊社のラッピングチャンスも広がると考えました。
そこで自販機会社の営業さんがツールとして使える自販機ラッピングサイトを開発提供、販売機の設置を勧める際タブレット等を利用し、サイト上でラッピングも同時に案内できる仕組みを提案しました。自動販売機ラッピングが徐々に増えつつある昨今では、一部の営業さんにはご好評をいただき活用いただいております。
当社は、デザインデータの作成をはじめデジタル系を得意としているので、上記のようなサービスも提供できるのです。
ラッピングの会社として特化
当社はより一層、ラッピングに特化し、さらに技術を高めていくつもりです。イメージ提案からデザイン、出力、施工まで一貫してできる強みを活かし、ラッピングでの地位を高めていきたいと思います。カーラッピングの経験が多く、どのようなデザインをどのように貼ればいいかを理解しているため「失敗が少ない」という評価もいただいています。
また、最近では古物商許可を取得しラッピングの技術を活かした新たなビジネスチャンスを伺っています。
私自身もさらに努力し、「チーム」と言う会社の名前をもっと知っていただけるように、ブランド力を高めていければとも思っています。
企業・団体プロフィール
- 名称株式会社チーム
- 業種大判プリント、施工(カーラッピング、自販機ラッピング、仮囲いラッピングなど)
- 住所神奈川県横浜市都筑区東方町412-1 善友印刷ビル3F
- 電話番号045-471-0211
- URLhttps://team-inkjet.co.jp/