米Biologic Models社と加Objex Unlimited社が、フルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」を使用して新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のモデルを製作

製品情報

Mimaki社のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」でプリント出力されたSARS-CoV-2 RBDベータ突然変異体 B.1.351モデル(一部)

 産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/池田 和明)は、米Biologic Models社と加Objex Unlimited社が、当社UV硬化インクジェット方式フルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」を使い、ウイルスの構造と機能に関する研究の一環として新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)モデルを製作したことを発表しました。以下、MIMAKI USAが2021年6月30日に発表した内容です。 

 Biologic Models社は、米国に拠点を置く3Dプリント出力によるタンパク質モデルと医療用画像アニメーションのプロバイダーであり、Mimaki社のフルカラー3Dプリント技術を駆使して複雑な分子構造の可視化を行い、タンパク質を極めて精密なレベルでの有形化を実現した。同社は、同じくMimaki社の取引先であり、カナダに拠点を置くObjex Unlimited社と共に、Mimaki社のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」を使い、教育、研究、芸術の各分野のクライアントを対象にした複数のプロジェクトを成功させた。最近では、Biologic Models社とObjex Unlimited社は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のモデルを製作し、現在進行中のウイルス感染対策の迅速な開発を支援している。

 Biologic Models社は、臨床研究ならびにX線結晶構造解析によるタンパク質データを使い、研究施設および同関連の収集家を対象とした、精密なタンパク質の3Dモデルを作成するという、独自の分野を開拓してきた。当初は、粉体ベースの3Dプリント出力が中心であったが、その過程で、光(UV)硬化樹脂ベースの3D素材を使ったプリント出力がより適していることに気づいた。とりわけ、この手法は耐久性、細部のきめ細かさ、短期間で結果を出せる点だけでなく、色域が粉体ベースの3Dプリントによるものと比べて約10倍に及ぶことが判明した。また、このプリント手法は粉体ベースのものとは異なり、濡れた布で簡単に拭うことができるため、アフターコロナの状況下でBiologic Model社の取引先がそれぞれの製品の展示を行う際に欠くことのできない特性となっている。昨年、Biologic Models社とObjex Unlimited社は協同で、Mimaki社のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」を使い、高精度の色彩とクリアカラーやグラデーションカラーで表現した、SARS-CoV-2のモデル群をプリント出力した。

 「Mimaki社の技術に惹かれたのは、透明度を変えるためにクリアとカラーを同時に混ぜることができ、タンパク質内の内部変化をより簡単に表現できるからです。」と、Biologic Models社の事業部長(Director of Operations)のCasey Steffen氏は語る。「当社が近く公表するコロナウイルスのモデルでは、スパイクタンパク質の受容体結合ドメインのリボンモデル上の個々の変異体を追跡し、新しい変異体ごとに独自の色を割り当てています。観察者は、色付けされた残留物の蓄積と透明な分子間結合の変化を観察しながら、ウイルスの構造がどのように変化していくかを学ぶことができます。Objex Unlimited社との協同作業により、私達が一回のプリント出力で成し遂げた複雑かつ緻密な細部表現は驚くべきものであり、3Dプリント出力によって、より意味のある、正確な科学モデルを顧客に提供できる可能性に気づかされました。」

 「3DUJ-553」の持つ1000万色以上のフルカラー3Dプリントによって、Biologic Models社のタンパク質の複製がくっきりと色付けされ、生物医学研究の結果を観察者は、より鮮明に、より識別しやすくなった。微細なタンパク質を3Dプリントする場合、状況によっては10,000個以上の原子をカバーしなければならない。それにはかなり微細なレベルが求められるが、Mimaki社の高精度の3Dプリント技術はその要求に難なく応えた。この高精細なフルカラー3Dプリント技術により、最小の3Dプリントサイズでも読み取り可能なQRコードもプリントできるようになった。これにより、Biologic Models社は実体とデジタルのギャップを埋めることに成功した。「従来の粉体ベースの3Dプリントでは表現レベルにおいて限界があり、これまで十分成果を上げられなかった実体とデジタル両方の学習体験をMimaki社のフルカラー3Dプリント技術は促進させています。」とSteffen氏はコメントを続けた。「実際、新シリーズの『作用機序(Mechanism-of-Action)』タンパク質モデルが、今年の夏の終わり頃に発売される予定です。このシリーズの3Dプリントモデルには、AR(拡張現実)体験が組み込まれており、3Dプリント出力されたタンパク質モデルのデータをデジタルで探索できるようにしています。この中には、感染中に起きるスパイク糖タンパク質がどのように変化するかを視覚化した、これまでにない分子アニメーションが含まれています。」

 「私達がこういったモデルに組み込みたい精度と緻密さのレベルには、強度と耐久性のあるパーツを生成する高度な3Dプリント技術が必要です。それに加えて、使いやすさ、プリント出力の迅速性、コスト軽減は、一回限りのモデル製作や視覚化を必要とする顧客には特に重要で、すぐに進化したり、更新が求められたりする可能性のある研究プロジェクトに従事するBiologic Models社の多くの取引先にはきわめて重要な利点です。」と、Objex Unlimited社のSteve Corey社長は語り、最後にこのように話を結んだ。「Mimaki社のフルカラー3Dプリント技術は、最も複雑な分子構造を容易に、かつ驚くべき精度で実現できる柔軟性があり、最も注目を集め、要求の厳しい研究プロジェクトを支援するモデルを製作できています。」

 Biologic Models社とObjex Unlimited社は、ウイルスの構造と機能に関する最新の研究成果を盛り込んだ最新のSARS-CoV-2 Virionモデルを発表した。Mimaki社のフルカラー3Dプリンタでプリント出力したSARS-CoV-2モデル群の個々の作品は、下記のリンクから購入できる。
https://biologic-models.myshopify.com/collections/sars-cov-2



Mimaki社のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」でプリント出力されたSARS-CoV-2 Virionモデル



Mimaki社のフルカラー3Dプリンタ「3DUJ-553」でプリント出力されたSARS-CoV-2 RBDベータ突然変異体 B.1.351モデル





MIMAKI USA, INC.


ミマキエンジニアリングはデジタル印刷・カッティング製品開発のイノベーターでありパイオニア。デジタルプリンタおよびカッティングプロッタのすべてのラインを設計・製造し、サイングラフィックス、テキスタイル・アパレル、インダストリアルプロダクツ、3Dの各市場における多数の用途に対して総合的なワークフローソリューションを提供している。2019年、MIMAKI USAは米国のプリントサービスプロバイダーとして20周年を迎えた。MIMAKI USAは日本のミマキエンジニアリングの運営組織である。
https://www.mimakiusa.com/、Facebook、Twitter、LinkedIn、Instagramの@MimakiUSA



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