オンデマンド型スプレー方式による樹脂・金属表面への機能付与を可能にした
デジタル コーティングマシン「DCF-605PU スプレーコートセット」モデルを発表
~独自開発のUV硬化型トップコート剤「TCU-100」で加工時間を短縮~
産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける株式会社ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、代表取締役社長/池田 和明)と半導体実装装置の開発・製造・販売を手掛けるアルファーデザイン株式会社(本社/長野県東御市、代表取締役社長/森澤 修二郎)は、アクリルキーホルダーやスマートフォンケースなどの樹脂製品や金属製品の表面コーティングを行うデジタル・コーティングマシン「DCF-605PU スプレーコートセット」モデルを発表し、2021年10月より販売を開始します。
「DCF-605PU スプレーコートセット」モデルは、グループ会社であるアルファーデザインが培った塗布制御技術と、当社が保有する独自のXYZ軸制御技術を応用した精密な位置決め機能のコラボレーションにより高精度なコーティングを可能にした製品です。また、独自開発のアプリケーションソフトを標準添付し、生産には当社の量産技術を投入することで、使いやすさとお求めやすさを両立しました。当社では、インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを中核に、前処理工程および後処理工程までを含めた、プリント工程のトータルソリューションを推進するために、今後も当社グループ内の保有技術を持ち寄り、より革新的な製品開発を継続し、さらなる製品ラインナップの強化によって、新たなイノベーションを起こして参ります。
今回の「DCF-605PU スプレーコートセット」モデルは、デジタルオンデマンド型「Spray-Jettingシリーズ」の第一弾製品として、無版で液体塗布ができるため、デジタルデータさえあれば必要な時に即生産が可能で、版洗浄が不要になることから汚染排出のない環境対応型の設備です。また、コーティングには必要最低限の液体量のみを使用するためコスト効率に優れ、手作業による刷毛塗りやスプレー塗布に比べより均一な膜厚での塗布が可能です。
さらにスプレー方式による非接触でのコーティングであることから、高さの変化や凹凸のある被対象物にも塗布が可能となります。
■生産工程イメージ
アクリル、ポリカーボネイト、PETなどの樹脂素材やステンレスなどの金属素材を用いた製品は、割れや傷、退色やインク剥がれの予防が必要な場合、製品表面にコーティングを施すトップコート加工が求められます。しかしながら、これまでインクジェット方式では、トップコート剤など高粘度な液体の安定吐出は難しいとされてきました。当社の「DCF-605PU スプレーコートセット」モデルは、こうした環境温度と共に粘度が変化する液体を常時一定のコーティング量にコントロールする自動塗布量調整機能を備えたバルブ・ノズルを搭載することで、被対象物に非接触での安定した液体塗付を実現しました。
加えて「DCF-605PUスプレーコートセット」モデルでは、独自開発した無色透明のトップコート剤「TCU-100」が使用されます。従来のトップコート加工では、トップコート剤に含まれる溶剤の揮発時間がネックとなり、加工時間の短縮化が困難でした。当社の「TCU-100」は無溶剤型のため溶剤の揮発時間を待つことなく、塗布後すぐにUV硬化処理※1が可能となるため作業時間の短縮が可能です。また、鉛筆硬度4Hの耐擦過性に加え、耐溶剤性に優れたコーティングを膜厚約10μmの超極薄で実現できるため、液剤の消費量を大幅に抑えられるとともに低ランニングコストを実現します。
「DCF-605PUスプレーコートセット」モデルは、前後に当社のUVプリンタ(前工程)やUV硬化装置(後工程)を導入することで、印刷からコーティングまで生産工程の全自動化にも対応します。本体価格は385万円(税込)、販売目標は年間100台(日本市場)を見込んでいます。
※1 UV硬化装置はオプション(別売)となります
株式会社ミマキエンジニアリングについて
ミマキエンジニアリングは、産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタおよびそのインク、ソフトウェアの開発・製造・販売・保守を⾏っています。サイングラフィックス、インダストリアルプロダクツ、テキスタイルアパレルの市場に向け、プリント工程のトータルソリューションを提供することにより、お客様に常に「新しさと違い」をお届けするイノベーターを目指しています。
企業・IRサイト:https://ir.mimaki.com/
製品サイト:https://japan.mimaki.com/
アルファーデザイン株式会社について
アルファーデザインはファクトリーオートメーション装置や半導体実装装置、基板実装装置の開発・製造・販売を行っています。基板実装工程・基板検査工程で活躍する製品を始め、半導体実装装置、電子部品挿入機、プレスフィットコネクタ圧入装置、フリップチップボンダなど、世界有数の性能を持つ高精度装置を研究・開発・販売しています。長野県東御市に本社を置くほか国内5カ所、中国に3カ所の営業拠点を展開。1989年に創業し、2018年より株式会社ミマキエンジニアリングのグループ会社となっています。
https://www.alpha-design.co.jp/
「DCF-605PU スプレーコートセット」モデルに関する補足情報
■装置の利点
1. 多品種少量生産対応
① 版不要で、デジタルデータがあれば必要な時に即生産が可能
2. 環境対応設備
① 版の作成が不要のため、版洗浄が不要で汚染排出がなく環境に配慮した製品
3. 低ランニングコストを実現
① 約10μm厚の極薄塗布を実現。重ね塗りを行ってもエアー混入のない塗布が可能
4. 品質の安定性確保
① 塗布の自動化により、作業者による塗布量の差が軽減され品質の安定化に寄与
■プラグインソフト“FineCut/Coat9”(標準添付)
① Adobe Illustrator※2をお使いの方が一貫してお使いいただけるソフトウェア
② 塗布ずれ補正や塗布液残量表示など、オペレータの作業支援を実施
※2 AdobeおよびIllustratorは、Adobe Incorporatedの登録商標です
■標準仕様
項目 | 仕 様 | |
---|---|---|
駆動方式 | X, Y, Z, θ軸:DCサーボモータ | |
塗布可能範囲 | 520mm(X) × 450mm(Y) | |
塗布可能ワーク厚 | 最大40mm | |
セット可能ワークサイズ | 50~550mm(X) × 50~450mm(Y) | |
セット可能ワーク重量 | 最大10kg(点荷重不可) | |
最大速度 | XY軸:300mm/sec | |
塗布膜厚 | 10μm/20μm/30μm ±20% | |
コマンド | Gコマンド | |
インターフェイス | Ethernet / USB ※3 | |
動作環境 | 使用環境 | 15 – 30℃ 35 – 65%(Rh) 結露しないこと |
精度保証範囲 | 18 – 25℃ 35 – 65%(Rh) 結露しないこと | |
動作最高高度 | 2,000m | |
温度勾配 | ±10℃/h以下 | |
粉塵 | オフィス相当 | |
適合規格 | VCCI-classA, CEマーキング, IEC62368-1, RoHS, FCC Part 15-ClassA, EAC | |
外形寸法 | 1,170mm(W) × 1,050mm(D) × 1,180mm(H) テーブル面高さ:約770mm |
|
重量 | 104kg | |
タンク容量 | 1,000ml | |
電源仕様/消費電力 | 単相 AC100V-120V/200V-240V, 50Hz/60Hz, 500W以下 | |
エアー供給 | 清浄乾燥クリーン圧縮空気(結露および凍結しないこと) 最高使用圧力 0.5Mpa 流量 51L/min以上 |
※3 USBはFWのアップデートの際にのみ使用します。
お問い合わせ
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株式会社ミマキエンジニアリング
営業本部インサイドセールスグループ 広報チーム
〒389-0512 長野県東御市滋野乙1628-1
TEL:0268-80-0078 / FAX:0268-80-0041
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