これまで対応できなかった素材や形状へ手軽にプリントできる!
難しい案件でも「まずは試してみよう」という気持ちにさせる1台
―― 国内屈指の大手出力ベンダーが語るUJV300DTF-75の無限の可能性
2025年9月、横浜ファクトリーに導入されたUV-DTFプリンタ「UJV300DTF-75」
直近4期連続での増収を遂げ、2024年度の売上高は35億円超と過去最高を記録した総合販促支援企業のビーアンドピー。現在は、大阪本店と東京本社に加え、名古屋、福岡、京都に営業所を置き、長年同社が注力してきた地域密着型の営業活動を各エリアで展開する。2021年には、主要生産拠点として24時間稼働の「横浜ファクトリー」を開設。全拠点を合わせた保有設備は、プリンタや加工機が100台に上るなど、大手出力ベンダーとして国内屈指の生産体制を築く。
2022年からは、「オーダーグッズ制作サービス」を開始。従来のポスターやパネルの販促物に加えて、新しくアクリルPOP、ノベルティなどの生産体制を構築している。顧客からは、これまで要望へ細やかに応えてきた企業姿勢が評価され、イベントの装飾物と同時に、スタッフウエアやグッズなどを一括して受注するようなケースも年々増している。この3年間で、小型UV機や、レーザー加工機、DTFプリンタと設備投資を続け、2025年9月にはミマキエンジニアリングのUV-DTFプリンタ「UJV300DTF-75」をいち早く導入。地域密着で痒いところにまで手が届く、同社の営業力の強化に欠かせない1台として早くも活躍の場を広げる。
水性顔料、溶剤、UV、ラテックスの各種ミドルレンジプリンタをはじめ、小型から大型までのフラットベッド機や、5m幅スーパーワイドロール機など全方向の出力設備を網羅する中、なぜ国内市場への投入から間もないUJV300DTF-75の導入を即断したのか。ここからは、執行役員 全社生産統括の中村祐輔氏に話を聞く。
執行役員 全社生産統括の中村祐輔氏
― 最初に、UJV300DTF-75 導入前のUV-DTFに対する印象を聞かせてください
以前から海外で普及しているUV-DTFには、強い興味を持っていました。まずメリットとして、従来のダイレクトプリントと比較すると、インクと素材の相性などを検証する時間が圧倒的に短くできますよね。そもそも顧客から素材を預かって、試しに直接出力するというリスクは誰しも避けたいものです。それこそUV-DTFでしたら、新しく治具を用意する必要もなく、プリントした転写シートを素材へ貼るだけで済みます。その上、例えば当社から出力物を顧客へ提供し、自身で貼って仕上がりを評価してもらうことも可能です。インクの密着性などは顧客で好みが分かれるので、やはり自身の手で触ったり、見てもらうのが一番望ましいですよね。
日に日に関心も高まる中、ミマキがUV-DTFプリンタを国内リリースすると聞き、自ずと導入に向けて検証を進めるようになりました。新しい印刷技術ですので、国産による安心感はもちろん、使いこなすにはミマキの手厚いサポートが大きな頼りになると期待しました。
― なるほど、以前からUV-DTFに関心を寄せていた中、ミマキから国内投入されるなら導入しようと決めたのですね。社内の反響はいかがでしたでしょう?
正直に話すと当初は、ほとんどの営業マンがUJV300DTF-75に対して興味を示さず、皆が口をそろえて「何に使うんですか?」という反応でした。それで、ミマキに相談してサンプルを用意してもらい、営業に配って自身のコップなどに貼ってもらったんです。そうしたら、驚くほどに反応が一変して「めちゃくちゃ良いじゃないですか!」と(笑)。
やはり、UV-DTFはこれまでにない印刷技術になるので、いくら口頭で説明されてもイメージが湧かないみたいです。インクと糊だけが残る仕組みや、端的にカス取りのいらないシールと説明しても、上手く伝わらないんですよね。実際に体感してもらうのが一番で、そうすれば「あの案件もUV-DTFで受けられるようになる」と、普段の仕事へとスムーズに結び付いていきました。
営業の理解を得た後は、UJV300DTF-75の本格稼働前から引き合いが増えるばかりでした。導入からわずか1カ月ですが、具体例を挙げるとプライマーをかけてもインクが定着しにくいPPや、プリンタ本体のヘッドを傷つけやすい鏡など、これまで対応に二の足を踏んだ素材でも難なく受注できるようになっていきました。
社内検証用の各種サンプル
― まさに、百聞は一見に如かずですね。まだ導入直後ですが、UJV300DTF-75のポテンシャルはいかに評価されていますか?
UJV300DTF-75でしたら、高価な素材に対するプリントでも、壊したり傷つけたりする心配がいらないのは大きいですよね。それに、フラットベッドタイプと異なり、素材の高さに制限がないことや、特殊形状に対して治具も不要なのは、これまでにはない優位性だと高く評価しています。素材や形状を限定せずにプリントできるのは非常に頼もしく、オーダーグッズだけでなくサイン関連も含めて、当社の対応力を包括的に底上げしてくれています。難しい案件でも、この1台が加わったことで「まずは試してみよう」という気持ちにさせてくれますね。
さらに、冒頭に話したテストだけでなく納品方法としても、プリント後の転写シートを顧客に郵送し、現地で手貼りしてもらうようなスタイルが今後は浸透していくのではと思います。互いに素材を送り合うよりは、遥かに納期やコストを抑えられますし、貼り方のマニュアルなどを用意して認知を広げていきたいですね。
― 使い勝手はいかがでしょう?
懸念点として、プリント前後でシートの糊面が露出するため、ほこりが付かないかと心配していたものの、特に対策を取らなくても導入からやり直すことは一度もなかったです。現場からは、プリント後に貼り合わせるセパレータのセットが少し難しいと聞いていましたが、このテンションを均等にかける作業も数回でコツが掴めたようでした。
それ以外は、今まで使い慣れてきたミマキプリンタと変わらない操作感で稼働できるので、ほとんど現場も躊躇せずに扱えるようになっています。それこそ、唯一違うのは出力物を素材に貼って、剥がすという点に絞られるのではないでしょうか。その剥離の最適なタイミングは社内ノウハウとして、現在検証中ですね。実機そのものは、過去に一度でもミマキプリンタを使っていれば、誰でも迷わずに稼働できると太鼓判を押せます。
― 仕上がりはどのように評価されていますか?
UJV300DTF-75は、シールやステッカーとは全く違って、基材レスでインクと糊だけが定着する仕組みですので、素材によってはきれいに貼れなかったり、簡単に剥がれたりしないか、そういった心配は少しありましたが、そこも杞憂でしたね。分かりやすく文字サイズで例に出すと、6ptぐらいまでは安心して加飾できますし、4pt以下もクリアインクの使い方次第できれいな仕上がりが可能だと実感しています。
マニアックな話かもしれませんが、硬質インクで軟質インクをサンドすることで耐久性を高めるなど、長年培ってきたミマキの技術がこの1台に集約されている印象で、その結果として抜群の仕上がりが実現しているのではないでしょうか。既に体重計や、楽器、ヘッドホンなど変わった素材への加飾も受けてきましたが、納品後のクライアントからの評価はとても安定していますね。
社内検証用の各種サンプル
― UJV300DTF-75 の導入を迷っているユーザーに一言コメントをお願いします
やはり、実際に一度使ってみないと、このマシンの凄さや性能は分からないと思います。新しい印刷技術なのに、とても品質は安定していて、使い勝手に戸惑うこともなく、率直に100点満点だと思っています。極端な例ですが、顧客からサッカーボールにプリントしてくれと頼まれても、従来のフラットベッド機やロール機では、まず難しいですよね。それが、UJV300DTF-75を保有していれば要望に応えようと挑戦できる、それだけで画期的ではないでしょうか。イニシャルコストについても、導入からわずか1カ月で1年以内の回収が見込めているなど、お勧めしない理由が見当たらないぐらいです。
それと最初に話した導入の決め手ですが、ミマキは営業とメンテナンスの両輪でサポートしてもらえるので、とても強い安心感があります。特に、他メーカーに比べて決定的に違うと感じるのは、プリンタの活用方法について様々な情報を寄せてくれるところです。そういった面から見ても、導入後にUJV300DTF-75のポテンシャルを持て余すということは考え難いですね。
2025年3月に導入したフラットベッドUVプリンタ「JFX600-2531」。従来機比で約3倍の生産性向上や、タイムロスなく連続出力できるトグルプリント機能など、多くの短納期案件を抱える同社に不可欠なマシンとなりつつある。ロール紙の伸縮ズレを削減し、納期も大幅に短縮できることから、昨今は顧客ニーズがダイレクト出力に集中しているという
企業・団体プロフィール
- 名称株式会社ビーアンドピー
- 業種「リアルとデジタルの両面から販促・マーケティングをワンストップサポート」する企業として、インクジェットプリントサービスをはじめとする様々なサービスを展開
- 住所大阪府大阪市西区江戸堀2-6-33 江戸堀フコク生命ビル3F
- 電話番号06-6448-1801
- URLhttps://www.bandp.co.jp/
