サイン・ディスプレイ以外の仕事が新しい知識や経験になる。インクジェット出力現場の声 2022 - 看板・内装の製作現場:株式会社セントラルS・D様

課題
改善
精度を求める出力物に対するブレや、グレーを出力した際の忠実な色表現に困っていた。
JV100-160は出力ブレがほとんどなく、急ぎの案件にも安心して取り組むことができるようになった。オレンジインクとライトブラックインクで色域が拡大し、忠実な色再現性と表現の幅が広がった。

導入した製品

JV100-160を導入いただいている株式会社セントラルS・D様の事例が、屋外広告・交通広告業界誌『月刊サインアンドディスプレイ』(2022年8月号)の"インクジェット出力現場の声2022"に掲載されました。

以下に掲載された記事を原文のままご紹介いたします。

記事原文のPDFはこちら



業務外の仕事が新しい知識や経験になる。


建築業界に長く携わり、今年、創業54年を迎えた(株)セントラル。同社はサイン・ディスプレイ部門の強化のため、6年前にサイン・デイスプレイ(同)を設立、現在では(株)セントラルS・Dとして看板及びディスプレイ製作から店舗内装工事まで幅広く対応している。今回はセントラルS・Dに、インクジェット出力を伴う業務の近況を訊いた。


Roll to Roll エコソルベントインクジェットプリンタ「JV100-160」

昨今は企画展の仕事も増加、
全体では月間100㎡以上出力


セントラルS・Dの江藤氏(右)と坂本氏。

セントラルS・Dの江藤氏(右)と坂本氏。

サイン・ディスプレイ関連業務を中心に行う(株)セントラルS・Dだが、インクジェット出力業務は同社の業務の70%を占める。現在では(株)ミマキエンジニアリング(以下、ミマキ)のRoll to Roll エコソルベントインクジェットプリンター「JV100-160」(以下、JV100)を使用し、これらの業務に対応している。

JV100は、印刷品質を左右するドット位置、フィード量をプリンターが自動で調整する機能「DAS(Dot AdjustmentSystem)」のほか、バンディングや色ムラの発生を軽減し美しいプリントを実現する「MAPS4(Mimaki Advanced Pass System 4)や、ノズル抜けを自動検知して復旧する「NCU(ノズルチェックユニット)」及び「NRS(ノズルリカバリーシステム)」などを搭載。印刷速度は20㎡/hと生産性も高く、操作性能・画質・速度・コストのバランスの良いエントリー機として好評だ。

セントラルS・Dの代表取締役である江藤 裕見子氏は『JV100を今年4月に導入しました。店舗の壁面サインや、ウィンドウ装飾などグラフィック関係の仕事に多く使用しています。ミマキさんはメンテナンスを含め、導入後のフォローもしっかりしているので助かっています』と話す。また、同社のデザイン・プリント課の坂本 英稔氏は『以前使っていたプリンターは、巻き方向に出力するときにブレが大きかったんです。特に出力後の輪郭カットなどトンボが必要なとき、このブレは致命的です。その点、JV100はブレがほとんどなく、急ぎでやらなくてはならないときでも安心です』と話している。

同社では昨今、看板以外にも博物館の企画展の仕事が増えており、パネル展示用のグラフィックを出力することも多いようだ。インクジェット出力の仕事全体では、月に100㎡以上を印刷しているという。


製作事例①「JU東京」(東京都足立区)

製作事例①「JU東京」(東京都足立区)


“お客様の思い”を
「JV100-160」を使って表現


セントラルS・Dが看板製作などを行った最新事例(2022年7月)として、犬専門シャンプーショップ「DOG SPA HANA」(埼玉県見沼区)を紹介しよう。

同店舗は、旧美容室を改装したもので、既存ポール看板のポールを紺色に塗って看板を差し替え、壁面ファサード部分には看板を追加、さらにウィンドウにグラフィックと切り文字を施工した。ウィンドウでは「ワンちゃんが、別のワンちゃんがシャワー浴びているのを良いなぁ♪と思って店に入るというグラフィック」が展開されている。江藤氏は『お客様の思いを、JV100を使って表現させていただきました』と語る。


製作事例②「DOG SPA HANA」(埼玉県見沼区)

製作事例②「DOG SPA HANA」(埼玉県見沼区)


オレンジとライトブラックが
表現の幅を拡大する


セントラルS・DではJV100を導入したことで、紙の無駄が減ったという。これについて坂本氏は、以下のように語っている。

『面付けの際、出力物によってはメディアとメディアの間に隙間ができますよね。そこに他のお客様の出力物を配置し、同時に出力できる機能に助けられています。紙を無駄にすることなく、効率良く印刷できることにメリットを感じます。あと、昔のプリンターはテストプリントでも(メディアの)大面積を使用していたのですが、JV100は端っこに小さく出してくれるので助かっていますね』。サイン関連の仕事では複雑なデザインを出力することも多い。そのため同社では、このような面付け機能に魅力を感じているようだ。

同社は、ミマキのエコソルベントインク「SS21」を使用している。屋内外のサイン・ディスプレイ製作で需要の高い低溶剤タイプのインクだ。オレンジインクをプロセスカラーとして追加し、PANTONEカラーチャートを近似色で約94.8%カバー。色域を拡大することで、食品のみずみずしさの表現や、コーポレートカラーの再現が可能となっている。

また、ライトブラックインクも追加され、グレースケール出力時に色転びや、トーンジャンプのないグレーバランスを実現。モノクロデータの忠実な色再現や、粒状感のない人肌、スムーズなグラデーション表現が可能になった。坂本氏は『オレンジ系の発色がすごく良いです。それと以前はグレーを出力した際、赤みがかってしまうという問題が起きていたのですが、(ライトブラックインクにより)そういったところも改善されました』と話す。


製作事例③「JU東京」(埼玉県越谷市)

製作事例③「JU東京」(埼玉県越谷市)


製作事例④「メビウス教育研究所」(さいたま市大宮区)

製作事例④「メビウス教育研究所」(さいたま市大宮区)


アナログとデジタル、
両方やれるに越したことはない


先述の通り、セントラルS・Dは看板製作だけでなく、内装工事も行っており、これが同社の大きな強みになっているようだ。

『看板をつくりたいというお客様が当社に来社されたときに、社内に並んだ内装材を見られて、「内装もやられるんですか?」と驚かれることがあります。当社では内装と看板の両方をやれますので、そこは他の看板屋さんと差別化できているかなと思います』と江藤氏。

さらに『普通であれば断るような業務外の仕事でも当社は断らないようにしています。それが当社として初めてのことだったとしても実現できる方法を考えます。実際に実現できたときの達成感はすごいですし、結果的に私たちの新しい知識や経験にもなりますので』と語る江藤氏の表情からは自信が窺えた。


セントラルS・Dのオフィスエントランスに敷かれた、水辺をイメージしたグラフィックが涼しげなマット。これもインクジェット出力によるものだ。

セントラルS・Dのオフィスエントランスに敷かれた、水辺をイメージしたグラフィックが涼しげなマット。これもインクジェット出力によるものだ。


同社ではLEDディスプレイなどデジタルサイネージ(以下、サイネージ)も取り扱っている。サイネージを始めたのは6年前で、官公庁や不動産屋、専門学校などへの納入実績があるという。

江藤氏は『アナログな看板がなくなることはないと思いますが、今後デジタルサイネージの需要は今以上に高まってくると思います。ですので、アナログもデジタルも両方やれるに越したことはありません』と話してくれた。インクジェット出力とサイネージをパッケージにした提案ができるのもセントラルS・Dの大きな強みだろう。


企業・団体プロフィール

  • 名称株式会社セントラルS・D
  • 業種看板製作・店舗内装・販促物の企画デザイン、施工
  • 住所埼玉県さいたま市北区本郷町346番地
  • 電話番号048-667-1111
  • URLhttps://www.e-central.jp/

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