「JV330-160」を導入いただいているキンコーズ・ジャパン株式会社様の事例が、看板業界情報誌『看板経営』 Vol. 34(2024年8月号)に掲載されました。
以下に掲載された記事を原文のままご紹介いたします。
JV330にしか任せられないサイン領域
オンデマンドプリントサービス大手が絶対の信頼を寄せる白インク
~段違いの高濃度と出力スピードを両立~
オンデマンドプリントサービス大手のキンコーズ・ジャパン。近年は、サステナビリティ経営に重点を置いた事業展開がユーザーから評価を集める。2021年9月からは、不要となったコピー用紙を100%再生紙としてアップサイクルする循環型サービス「PELP!」を採用。自社の名刺や封筒を切り替えるだけでなく、顧客に向けた印刷サービスでもエコ商材として取り扱う。続けて同年には、スタッフユニフォームをリニューアル。使わなくなった衣類を処分するのではなく、紙の原材料としてケミカルリサイクルした販促物を作成した。そして、2023年5月には国際的な森林管理協議会、FSC®の加工・流通過程における管理認証「CoC認証」を全ての直営店と生産拠点で取得するなど、一点物のオンデマンドだからこそ無駄を出さないサステナブルを追求し続ける。
さらに、地方共創へ向けた取り組みにも注力。2023年11月には石川県内の地場企業と協力して、地産地消による紙の循環モデルを構築。この再生紙は伝統工芸・加賀八幡起上りを由来として「おきあがみ」と名付けられ、その売り上げの一部を能登半島地震の義援金として現在寄付する。2024年2月にはプロサッカークラブの川崎フロンターレとともに、地域の飲食店などで不要になったアクリルパーテーションを再利用する取り組みへと着手。ホームゲーム開催時にワークショップを開催し、廃材アクリルを活用したグッズを作成するなど、各拠点を置く地域のパートナーとなって地域社会の発展に寄与していく姿勢も貫く。
サイン領域には、2013年のSign&Display部門の立ち上げとともに本格的に着手。2018年4月からは、生産拠点を東京・品川に構える「東京セキュアードプロダクションセンター(SPC)」に集約。各種プリンターはエコソルベント11台をはじめ、水性やUVなど、ロールとフラットベッドを満遍なく備える。後加工機もラミネーターやプロッターはもちろん、サンプルカッター、レーザー加工機まで網羅した集中型生産施設となっている。さらに2019年4月には、企画から施工までワンストップでの提供を強みとした都内出力ベンダーのインターリンクを統合し、そのサービス体制を盤石とした。
そして、2023年8月にはミマキエンジニアリングのフラッグシップモデル「JV330-160」を導入し、より隙がない生産体制を敷いた。これほどの設備を保有しながら、なぜJV330を新設したのか、ここからは同部門を管轄するSPCマネージャーの室谷善孝氏に話を聞く。

生産管理部 SPC生産管理グループ 東京Production第2 SPCマネージャー 室谷善孝氏

2024年6月に公式キャラクターに任命された「キンコちゃん」
― まず、ミマキさんとの取り引きはいつ頃からになるのでしょうか
Sign&Display部門の立ち上げからですね。最初の設備投資としてフラットベッドUV機「JFX500-2131」を導入して以来、10年以上の付き合いとなります。当時から評価していた白インクでの出力スピードや濃度の高さは、今でもミマキさんがずば抜けていると思っています。そのマシンスペックはもちろん、とてもサポート体制が充実しているので、安心感を持って稼働できるのも嬉しいですね。現在となっては多くのプリンターを保有しているものの、当初は3台からのスタートでしたし、1台でもストップした際の損失は計り知れません。ちょっとしたトラブルが発生した際に、連絡を入れるとすぐに駆け付けてくれるレスポンスの早さには、今まで何度も助けられました。
― なるほど、部門の新設時からの長い付き合いなのですね。では今回、このタイミングでJV330-160を導入した理由を教えてください
正直に話すと、今まで稼働していたJV300の老朽化に伴い、ショールームに機種選定で訪れた際、真っ先にJV330のスタイリッシュな筐体が目に止まったんです。単純に、すごく格好いいと思いました(笑)。今まで数え切れないほどの機種を見てきましたが、こんなに角々しくないデザインは初めてで、細部までこだわり抜いて開発されている点に感心しましたね。高画質と高生産を両立したフラッグシップモデルである以上、その優れたスペックは当然疑う余地がありません。開発から発売に至るまでの強い熱意を感じ取れ、このマシンの持つポテンシャルは想像以上だと確信しました。
― 面白い着眼点ですね。確かに、そういう点からメーカーさんの本気度を読み取ることもできますね。JV330の具体的な性能はいかがでしょうか
前述した白インクのプリント速度と高濃度は、しっかりと継承するだけでなく、確実に進化を遂げています。他社機に比べると、現在では段違いと言えるのではないでしょうか。それこそ、透明メディアに白を下打ちしてからカラーを重ねる際は、2倍以上の早いスピードで出力できるにも関わらず、くっきりとした仕上がりに驚かされます。現状、JV330では従来の12passから16passにまで上げてプリントしていますが、全くスピードは落ちないです。自ずと出力物の仕上がりも以前にも増してきれいになり、当社の品質向上へとつながっています。
加えて、JV330で出力するメディアは、透明の塩ビやPET、合成紙など多岐にわたるので、そういった理由から新機能のメディアチェンジャーはフル活用していますね。こんなに力をかけずにクルっと回すだけで、メディアの差し替えが手安く済むのは画期的です。次から次へと簡単にロールを切り替えられるため、特に大ロット案件では生産性を飛躍的に高めます。それ以外の細かい点ですと、静電気にも非常に強く、遮光合成紙などは同機以外では怖くて出力できないです。
さらに、UCJV300やJFX500/200なども稼働しているなか、どれも実機とソフトウエアRIPの操作感が同じ仕様で統一されているのは助かります。今回のJV330も同様で、新しいマシンを導入する際に安心できますし、もっと楽になる分かりやすい機能まで続々と追加されているので、個人的に楽しみのひとつにしています。

新設したJV330の設置シーン

PETフィルムへの出力サンプル。上から段階的に白インクの濃度を上げていっている。他社機では、画像内中段の仕上がりとなりやすいものの、同機では下段のようにぼんやりせず、くっきりとしたプリントを実現する
― 次に、今後の設備投資の予定はいかがでしょう
展示会で見た新機種、JFX600-2531の「トグルプリント機能」にはとても興味があります。今まで、ロール機と違ってフラットベッド機は、出力した後に稼働がストップするのは仕方ないと思っていましたが、この機能でしたら連続運転も実現できます。テーブルの手前側で出力している際に、奥側に次のメディアをセットしておけば、そのまま続けて印刷できるのは魅力ですよね。
オペレーターの負担にも考慮して「MDL※コマンド」を提供し、周辺機器からの実機制御を可能としたのはさすがです。これを活用できれば、アームロボによる出力前後のメディアの自動搬送すら達成してしまいます。こういった新機能は、今後もぜひ果敢に取り入れていければと考えています。
※ Mimaki Device Language
― 最後に将来展望をお聞かせください
一般的にドキュメントの印刷物に対する見通しは厳しくなる一方で、新しい事業の柱を目指して同部門を立ち上げ、早くも11年が経過しました。この間、サイン製作会社の皆さんには多くのサポートをいただき、お陰さまで当社全体の事業規模を底上げするほどに部門を発展できました。今後はより存在感を高めていけるよう皆さんはもちろん、ミマキさんとも引き続き協力しながら堅実に成長を遂げていきたいと思っています。
企業・団体プロフィール
- 名称キンコーズ・ジャパン株式会社
- 業種オンデマンドプリントサービス
- 住所東京都港区芝浦1-1-1浜松町ビルディング27F(本社)
東京都品川区東品川4-12-2 品川シーサイドウエストタワー2階(東京SPC) - 電話番号0120-001966(本社 お客様相談センター)
- URLhttps://www.kinkos.co.jp/