有限会社 三晃社南部製版所(神奈川県藤沢市)

課題
改善
2次加工的な業務からの転換。
デジタル捺染インクジェットプリンタ導入で仕事の間口を拡大。服地・ハンカチ・スカーフ等のサンプル生産や小~中ロットの受注を実現。

これはまさにイノベーション。 デジタル技術が捺染の世界を大きく変えました。


専務取締役 南部 滋彦 さん

■有限会社 三晃社南部製版所(神奈川県藤沢市)
(業種:シルクスクリーン製版、各種捺染)

導入機器:デジタル捺染インクジェットプリンタ「TX-1600S」

専務取締役 南部 滋彦 さん

昭和10年代、伊勢型紙で知られる三重県で創業した同社。現在は神奈川県藤沢市を拠点に、商社からの注文を受けて捺染・製版を行っている。生地生産の現場が中国や韓国、東南アジアに移行する中、日本の捺染業界は全体的に縮小化する傾向にあるという。これまでのような2次加工的な業務からの転換が急務であり、デジタル捺染の技術はこうした日本の加工業の分野で注目を集めている。

【いままでにない新たな捺染技術】
三代目となる南部滋彦氏は、従来の捺染技術とデジタル捺染は「似て非なるもの」だと言う。つまり、職人が手がける捺染技術はこれからも連綿と残り続けるものであり、デジタル捺染はまったく別の新たなジャンルとして捉えている。
「インクジェットプリンターを使った技術はいままでにない捺染法だと思います。豊富な色数、ぼかしやグラデーションも容易で、写真やイラストも入れることができます。従来の捺染がデジタル捺染に置き換わるものではありませんが、表現力の幅はかなり広がりました。結果として仕事の間口を広げてくれる、これはイノベーションだと思います」


TX-1600S

【小ロットや1点物の要望にも柔軟に対応】
2年前に最初の1台を導入し、その翌年に同機種をもう1台追加。現在は計2台で服地・ハンカチ・スカーフ等のサンプル生産や小~中ロットの注文を受けている。「1台は本生産、もう1台はサンプル生産に使っています。自分1人で5台ぐらいは管理できそうなので省力化の面でも有効。これが使ってみてわかった実感ですね」また、テキスタイル・デザイナーからサンプル見本製作の依頼が度々ある同社では、小ロットや1点物の生産にも適した製品の使い勝手にメリットを感じているという。

「デザイン面での要望はほぼ100%応えられるようになりました。クリエイターたちの自由な発想を形にするためには、われわれの側にも創造性といった要素が必要です。デジタルの技術はこういった感覚をもサポートしてくれるありがたい味方。一般的な量産の分野と一線を画す部分であり、ここが自分たちにとっての勝負所だと思っています」

【夢はオリジナルの自社商品の製造・販売】
2次加工から1次加工へ。同社は、将来的に自社商品の製造・販売までも視野に入れている。 「たとえば1つの反物をつくる場合、精錬・漂白、浸染、捺染、製版、蒸・整理など、私たちの繊維産業は業務ごとに細分化されているのが特徴です。それらの連携によって初めて1つの商品が仕上がるわけですが、デジタル捺染の技術はそうした垣根を超えて、注文から納品まで一貫して自社で手がけることも可能にしました。2次加工から1次加工へ脱却するためにも、デジタル捺染をはじめMimaki製品のテクノロジーに期待する部分は大きいですね。最終的には服やバッグなど、オリジナル商品の製造・販売まで手がけたい……。そんな夢を思い描いています」


企業・団体プロフィール

  • 名称有限会社三晃社南部製版所
  • 業種シルクスクリーン製版、各種捺染
  • 住所〒251-0052 神奈川県藤沢市藤沢4−5−12
  • 電話番号TEL:0466-27-0200 / FAX:0466-27-1177
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