株式会社シミズオクト(本社・東京都新宿区)

課題
改善
納期短縮のニーズに応える溶剤系の小型機導入が急務。
きれいに出力できるのは当たり前。『速くて、きれい』で現場の安定性をより高める。

スポーツやコンサートの“裏方仕事”一筋。 最速性能のJV5がものづくりの現場を支える。


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株式会社シミズオクト(本社・東京都新宿区)
(業種:会場設営、来場者サービス、セキュリティサービス、施設サービス、映像技術、国際ビジネスなど)

導入機器:ソルベントインクジェットプリンタ「JV3シリーズ」 大型インクジェットマルチユースプリンタ「JV4シリーズ」 ソルベントインクジェットプリンタ「JV5-160S」

[千葉スタジオXL出力センター]
左:グループ長 問可(とが)龍一さん
右:鈴木丈士さん


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【日本初のスポーツ専門サービス会社として発展】
同社の創業は昭和7年。当初、創業者の清水芳一氏は大学野球の本拠地・神宮球場のチケットのもぎりや整理員などの運営面と、案内看板等の製作の仕事を請け負っていた。今風に言えばレタリングの先駆けである。パソコンなどなかった時代、看板に描く文字はもちろん手書き。考えてみればこのころすでに、各種イベントの設営・運営・警備を一括して請け負う同社の原形ができあがっていたわけである。

昭和21年、プロ野球8球団の公式リーグの開幕とともに業務枠が拡大し、以後、野球をはじめ水泳・ラグビー・陸上競技・サッカーなどさまざまなスポーツに関わるようになる。日本スポーツ界の隆盛とともに歩んできた同社は、東京ドームのオープンに伴い巨大スタジアムやアリーナの業務が急増。時代の変遷とともにイベントのカテゴリーも多様化し、スポーツ系業務からコンベンション・コンサート・テレビへとサービスの枠を広げ、進化・発展を続けてきた。

【ビッグスケール化するイベントにいち早く対応】
同社のメイン業務の一つとなる会場設営とは、スポーツ・イベントの会場設営、舞台美術・テレビセットの制作・施工、展示会・ディスプレイ・サインの企画・制作などのことである。関わった主なイベントには、「マドンナ日本公演」('87)、「マイケルジャクソン日本公演」(同)、「世界陸上」('91)、「長野オリンピック」('98)のほか、記憶に新しいところでは「愛・地球博」('05)などがある。国内で開催される大規模イベントのほとんどは、同社の手によるものと言っても過言ではない。会場設営のみならず企画段階から関わり、運営・警備なども含めてトータルにカバーできるのが同社の強味だ。


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そうした会場設営業務の中核となるのが平成2年にオープンした千葉スタジオ(袖ヶ浦市)である。敷地面積はおよそ1万坪。近年、ビッグスケール化するスポーツやコンサート等のイベントに対応するために生まれた舞台・ディスプレイ装置製作スタジオで、木工・造形・溶接・塗装まで何でもこなす。その他、本番前に実際に舞台装置を組み、ゲネプロ(イベントリハーサル)に対応した専用ホールを併設するなど、名実ともに日本一の規模を誇る製作工房である。

【納期短縮が急務。クライアントニーズに即応したJV5】
「最近のサイン業界は、一段と納期短縮が求められるようになりました。クライアントからの注文も非常にタイトで、翌日納品といったケースも珍しくありません。そのニーズに応えるためにも、小回りの利く溶剤系の小型機導入が急務でした」と、サイン・グラフィックのプラン・製作・施工全般を行うXL出力センターグループ長・問可さんは話す。


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ここで言う“小型機”とはMimakiのJV5のことである。同社ではすでに最大5mワイドまで出力できる超大型インクジェットプリンタ(海外製)を導入しており、問可さんが所属する出力部門の名称にその機種名を冠しているほど。超大型インクジェットプリンタと比較すれば、最大プリント幅1620mmの「JV5-160S」も小型機となるわけだ。なるほど、同社が請け負うサイン業務のスケールの大きさを伺い知ることができる。

では一体、同社がJV5を導入した理由やメリットはどこにあるのだろうか。同出力センターに所属する鈴木さんに聞いた。

「クライアントの納期短縮に対応するためにも出力の速さが最大の決め手でした。もはやきれいに出力できるのは当たり前の時代で、そうした中でJV5は『速くて、きれい』のバランスが取れているマシンだと思います」


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どんなインクジェットプリンタでも出力速度を遅くすればある程度のクォリティは保てるはずだ。しかし、迅速な仕事が求められる現在のサイン業界では、画質と同時に速さも欠くことができない要素となっている。

「当社ではすでに国内の各支店、グループ会社で十数台のJV3、JV4を導入しています。それと比較するとJV5の性能は格段にアップしていますね。たとえフル稼働していてもスペックの半分ぐらいで出力している感じ。マシン自体に余裕すら感じられます」(問可さん)

「現場で感じるのは安定性がより高まったこと。水性インクとソルベントインクの違いはありますが、仕上がり画質に影響するバンディング(縞模様)がほとんどなくなりました。マシンの性能としてトータル的には満足しています」(鈴木さん)

同出力センターでは、超大型インクジェットプリンタとJV5を業務の内容により使い分けている。たとえば、長距離から見るビルボードなどは超大型で、中距離~短距離から見る横断幕や看板などは画質に勝るJV5の出番となる。しかし最近では、ビルボードなどでも中距離~短距離レベルのクォリティが求められるようになってきた。こうしたニーズにどう対応するか、これが出力センターとしての大きな課題であるという。

【「速くて、きれい」を実感した東京都の一大イベント】
千葉スタジオに1台のJV5が導入されたのは平成19年1月である。翌月18日に開催される「東京マラソン2007」の準備に追われていたころで、数千枚におよぶ規制看板や迂回看板をはじめとした設営物の製作・施工に全社を挙げてあたっていた。メインとなるサインやグラフィックはすでに稼働しているJV3とJV4で、試験運転も兼ねてデザイン的にも単純な誘導看板をJV5で出力したそうだ。


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「1月はイベントの準備も佳境に入っていました。試験運転もままならない中でJV5を稼働させたわけですが、結果として一番出力枚数が多かったのが誘導看板でした。マシンの長所でもある高画質は別として、導入後すぐに最速性能のメリットを実感することができました。現場責任者の1人として、膨大な枚数を期限内に収められてホッとしています」(問可さん)

JV5導入後の稼働率は1ヶ月当たり1600m²。昼夜を問わずフル稼働している状態であるという。

「何よりもありがたいのは夜中に出力して翌日朝に出社したら仕上がっていること。安定性もさることながら、ダブルカートリッジ自動切り換え機能付きなので長時間の連続プリントが可能です。機械任せにできるので人が付きっきりでなくてもいい。これは簡単なようでなかなか難しいことだと思います」(鈴木さん)

いままさにバスや電車、ビルまでラッピングして広告する時代。サイン業界のフィールドは年々拡大し、周知の通りクライアントニーズも複雑化・多様化している。仕上がりのクォリティは落とさずに、短納期かつ低コストが求められる状況の中で、出力の現場が多大な責任を負っていることは確かだ。


企業・団体プロフィール

  • 名称株式会社シミズオクト
  • 業種会場設営、来場者サービス、セキュリティサービス、施設サービス、映像技術、国際ビジネスなど
  • 住所〒161-0033 東京都新宿区下落合1-4-1
  • 電話番号03-3360-7051
  • URLhttps://www.shimizu-group.co.jp/
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