2014年5月11日出雲大社に奉納された『新・風圡記』を今回の展覧会に出展したいが出雲大社からお借りするのは難しい。レプリカを作成出来ないかとのお話をいただき、当社のプリンタで制作に挑戦いたしました。
●日 程:2014年12月6日(土)~2015年1月12日(月)
●休館日:火曜日
●会 場:サントミューゼ 上田市立美術館 企画展示室ほか
長野県上田市天神三丁目15番15号
●イベント詳細:小松美羽展 ~画家・小松美羽の夢と挑戦~ >> 展覧会情報
●観覧料(常設展含む):一般 600円、大学・専門学生 500円、高校生以下無料
Mimakiの挑戦
絵画のレプリカを作成するにあたり、課題として想定したのが以下の2点でした。
■色の再現性
■小松様の、時に繊細で、時にダイナミックな筆のタッチを表現する
絵画のプリントという難易度の高いミッションに挑戦しました。
色の再現
- 写真データを画像編集ソフトで調整(入力データを可能な限り絵画に近づける為)
- RasterLink6に取り込みRIP → プリント
- プリントする条件を変え、1/10サイズでサンプルを作成。小松様に確認して頂きました。
筆のタッチの表現
- 今回プリントに使用したJFX500-2131はIMS制御*により、高いインクの着弾精度を実現。大判フラットベッドプリンタでありなが2ptの文字が判読可能な高精度プリントが細やかな筆のタッチも忠実に再現しました。
- MAPS II*を搭載し、パスの境界線に発生するバンディングや色ムラの発生を軽減。ダイナミックなタッチもムラ無く再現しました。
- 当社独自のヘッドコントロール技術が美しく、なめらかなグラデーションをも再現。3種類の大きさの違うインク滴を打ち分ける事で粒状感のないなめらかな表現を可能にしました。
IMS: Intelligent Microstepping System
MAPS II: Mimaki Advanced Pass System II
プリントを終えて
色、細部の表現について小松様にご確認いただき、良い出来だとお褒めの言葉を頂きました。
大変気に入っていただき、今後の個展にも活用していただくために追加で2枚制作致しました。
小松美羽
1984年11月29日長野県生まれ。
銅版画をはじめ、独自の技法を用いた絵画表現、着物や衣装デザイン、有田焼への絵付けなど、作品は幅広い分野において、独創的で豊かな美意識を刻み、見るものの心を揺さぶる。
>> 小松美羽 Miwa Komatsu | オフィシャルサイト
新・風圡記
「新・風圡記」は、2014年5月11日に出雲大社へ奉納された小松美羽氏の作品。
2013年11月に出雲大社「神在祭」へ正式参拝し、そこで強いインスピレーションを受けた小松氏は作品奉納の嘆願書を送り、出雲大社はこれを受理。1ヶ月以上の出雲滞在期間を通して完成。
出雲滞在中に古事記・風土記を読み、様々な神社を参拝し、出雲の文化に触れるうちに「宇宙的なものについて考えるようになった」という小松様。
「新・風圡記」は目の中に宇宙があり、そこで和の心を持って燃え上がる胎児を表現しており、中心部分には、 “WISH UPON A STAR” という星の形にカッティングされた1カラットのカットダイヤモンドが埋め込まれている。
また、奉納時、祝詞が読み上げられた瞬間このダイヤモンドが光を発した。当時その場には窓も、強い光源もなかったが、複数人が「たしかに光をみた」と証言。これは霊験あらたかな出雲の地で、宇宙と作品が繋がった瞬間だったのかもしれない。
今回使用製品
企業・団体プロフィール
- 名称上田市立美術館
- 住所長野県上田市天神三丁目15番15号
- 電話番号0268-27-2300(直通)
- URLhttps://www.santomyuze.com/