UJF-706、UJF-3042をご活用いただいている株式会社ホタルコーポレーション様による講演会の様子が、2012年9月発売のOGBSマガジンで紹介されました。
以下に掲載された記事を原文のままご紹介いたします。
印刷会社が挑んだ「紙以外の印刷」から生まれたのはUVプリント&治具製作?
7月25日、株式会社ミマキエンジニアリングの大阪支店で開催された「インクジェットソリューションフェア」(主催・株式会社モトヤ)の会場で、ある講演会が行われた。
タイトルは「実録 インクジェット事業部立ち上げ」。講演するのは株式会社ホタルコーポレーションの取締役本部長、福永進氏だ。
こうした展示会でメーカーがプリントシステムの紹介や活用法を説明するのはよくあることだが、今回の講演はプリントシステムを導入したユーザー自身がその体験を語るとあって、会場は満席となった。
多くの聴衆を前に壇上に立った福永氏は、「紙媒体以外への印刷に挑戦する時期だ、と弊社のトップから言われ、ミマキエンジニアリングのUVプリンター『UJF—706』を2台導入することが決まったんです。そこから2年経った現在、売上げは以前の10倍。ほぼ右肩上がりで成長しています」と話し始めた。さらに、今では大手通信会社からオリジナルスマートフォンカバーを月に1万個を受注するまでに成長したと言う。そこまで急躍進を遂げたホタルコーポレーションとは、一体どんな会社なのだろう。
紙媒体以外にも印刷に挑戦する時期
ホタルコーポレーションの親会社は、創業昭和29年の螢印刷株式会社(大阪市西区 / 有木孝志社長)。
大手空調メーカーの取扱説明書や据え付け説明書の印刷などを得意とする印刷会社。その腕には定評があり、一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会が主催する「日本マニュアルコンテスト2011」で最も優れたマニュアルに贈られる「マニュアルオブザイヤー」を受賞したほど。
その同社がUVプリントに取り組んだのは、得意先から「自社商品の台車1000台に直接プリントして欲しい」と依頼があったことがキッカケ。その時、冒頭の「紙媒体以外の印刷にも挑戦する時期」だったことから、UVプリンターの導入を決定した。さらにUVプリンターは関連会社のホタルコーポレーションに設備を移し、全くの未経験からUVプリントへの挑戦がはじまった。
福永氏は、「最初は右も左も分からない状態だった。メーカーや問屋の協力を得て、一つ一つの問題をクリアしていきました」と言う。例えば、UVプリントのキッカケとなった台車の場合。再生ポリプロピレンという素材そのものがUVインクと相性が悪く、インクが定着しなかった。そこで、強力な下地剤を用いることで、これをクリアした。その次に起こったのは「メディア詰まり」。UVプリンターのヘッドの熱で素材が膨張。ヘッドに擦れて商品にならなかった。これはランプの光量と治具を調整することでクリアした。
これで問題は終わらない。導入した「UJF—706」は厚物対象物にプリントできる機械。ヘッドと素材に距離があるとインクが霧状(ミスト)になって別の場所に付着することが稀にある。このミストが起こり、製品に付着して綺麗に仕上がらなかった。そこで、メーカーに様々な調整をしてもらい、最終的には静電気を除去する装置を導入することでトラブルが解消。無事UVプリントをこなせるようになったそうだ。
UVプリント&治具も作ってくれる?
一つの商品を仕上げるだけでもこれだけの苦労がかかるUVプリントだが、同社は確実に仕事をこなし、そのスキルをどんどんとアップさせていった。そして今や同社屋内には、大型UVプリンター「UJF—706」が3台、小型UVプリンター「UJF—3042」が1台、レーザー加工機「スピリットGX60W」が1台導入され、日々オーダーグッズを生産している。
レーザー加工機が導入されているのは、UVプリント時の治具を作るため。UVプリントはボールペンやゴルフボールなど、様々な形状を固定する必要があるため、必ず治具が必要になるのだ。同社は、こうして蓄積してきたUVプリントや治具製作のノウハウを、今度はOGBSの外注先として活用してほしいと言う。
「UVプリントはもちろん、自店で厚物プリンタを持っているOGBSで治具で困っているなら、その部分だけお手伝いすることもできます」と福永氏。しかも、一般的に治具製作を外注すると高くつくが、ホタルコーポレーションでは「簡単なものなら数千円といったレベルでお作りすることも考えています」。
同社ではUVプリントの手順を、
(1)プリントできるか素材のチェック、
(2)下処理剤の検討、
(3)予算を考慮した治具製作、
(4)色、濃度確認などをおこなってからプリントする
という。さらに、プリント後は要望があればクロスカット試験、鉛筆試験などの剥離試験も行ってくれるので、安心して仕事を任せられるだろう。
小ロットから数物までこなしてくれるUVプリントや、厚物プリントで困ったときの治具製作など、OGBSのパートナーとして心強い味方になってくれそうだ。
お問い合わせ先
・株式会社ホタルコーポレーション
HONDEN FACTORY(商品部UVIプリント部門)
〒550-0022
大阪市西区本田1-5-2
TEL:06-6556-7780 FAX:06-6556-7781
・株式会社ゲンダイ出版
OGBSマガジン編集部
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・株式会社ミマキエンジニアリング
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TEL:(03)5420-8680(代) FAX:(03)5420-8686
企業・団体プロフィール
- 名称株式会社ホタルコーポレーション
- 住所HONDEN FACTORY(商品部UVIプリント部門)
〒550-0022 大阪市西区本田1-5-2 - 電話番号TEL:06-6556-7780 / FAX:06-6556-7781