厚物、複雑な形状のゴムを精密にカット 「扱える製品の幅が増え、仕事が取りやすくなった」:株式会社児玉ゴム商会様

課題
改善
既存のカッティングプロッタでは、厚みや硬さのあるゴムを精密に切れなかった。加工テーブルの面積も狭く、生産効率を上げたいと考えていた。大きな製品は分割で作る必要があり、カット後に接着の手間が発生するため、一体物として加工することでコストを削減したかった。
CFXはカット圧が高く加工テーブルも大きいため、高品質なゴム製品を量産できるようになった。大きな素材のカットが一度で済み、接着の工程が減った。加工スピードも速く、急ぎの案件にも余裕を持って対応できるように。業務に余裕が出たため新事業の展開にも取り組めるようになった。

導入した製品

厚物、複雑な形状のゴムを精密にカット
「扱える製品の幅が増え、仕事が取りやすくなった」


児玉ゴム商会(広島市中区)は創業64年のゴム加工専門会社。小さなパッキンから大型機械に組み込まれるパーツまで、様々なゴム製品を製造する。用途は鉄道車両や飛行機のタラップ、自動車、医療機器、農業機器と幅広く、年間の製造実績は3万件以上。あらゆる産業分野を支える「縁の下の力持ち」のような存在だ。そんなゴム加工の現場で活躍しているのが、ミマキエンジニアリングの大判カッティングプロッタ「CFX-2513」。導入した経緯と、導入後の効果を聞いた。


CFX-2513を使用している様子

CFX-2513を使用している様子


カッティングプロッタでゴムやスポンジをカット


ゴム加工には主に「切削」と「金型成型」の2種類があり、当社は切削を得意とする会社です。ゴムメーカーからゴムを仕入れ、カッティングプロッタやスリッター、バーチカル裁断機、油圧裁断機などで切断、切削、穴空けをし、必要に応じて接着して製品を作ります。ソリッドゴム以外にもゴムや樹脂スポンジ、不織布系のフィルター、フィルムなど様々な素材を加工しています。カッティングプロッタはミマキエンジニアリングの「CFS-1313」を20年使用していました。


複雑な形状の加工は、同業者への外注に依存


CFSは四角やフランジといった単純な形状のカットは得意ですが、複雑なデザインや厚みのある素材のカット、立体物の切削などにはやや不向きです。そのような製品はより高度な技術を持つ同業者に外注していましたが、外注コストの高騰や納期の遅れに悩まされていました。テーブルの面積も狭く、急ぎの案件では「もっとテーブルが大きれば一気に作れるのに」と思うこともありました。そこでCFSを導入して20年の節目に「複雑なデザインも加工できる高性能なカッティングプロッタを導入しよう」という話になったのです。


CFXには最大4つのツールを同時搭載できる

CFXには最大4つのツールを同時搭載できる


親身なサポートと価格が決め手に


現在、国内外のメーカーから様々なカッティングプロッタが発売されていますが、当社ではミマキエンジニアリング社の製品以外を購入するつもりはありませんでした。20年前にCFSを導入した時、当社は手作業でゴムを切っており、プロッタのようなマシンを扱える社員はゼロ。ミマキ社はそんな初心者に対し、機械を100%使いこなせるようになるまで長期間サポートしてくれました。その時の印象が強く残っており、入れ替え時もプロッタはミマキからと思っていたのです。

念のため海外製のカッティングプロッタとも比べてみましたが、コストパフォーマンスの面でCFXに軍配が上がりました。CFXは性能の高さに対してかなりリーズナブルだと思います。補助金も活用し、最小限の初期費用で導入できました。


スピード、加工範囲、カット圧の全てが高水準


使い始めてすぐに効果を実感しました。加工スピードと加工面積が倍になったので、同じ時間で倍の量が作れるようになりました。2日かかっていた作業が1日で、1週間かかっていた仕事が3日で終わるイメージです。

これまでテーブルに入りきらなかった素材が簡単に収まり、一度のカットで終わることが増えました。カットの回数が減ると、その後の接着の工程も減ります。接着には人手と時間が取られますが、CFX導入によって接着する場面が減り、オペレーターは「業務に余裕ができた」と口を揃えています。

カット圧の高さは流石ハイエンド機ですね。これまで切れなかった厚さ、硬さが切れるようになりました。例えば50mm厚のゴムや硬いウレタンなどは、CFSでは上手く切れないので外注していました。スポンジもカット時に潰れたり、複雑な形状に加工できないことから、協力会社にお願いしていました。CFXの導入以降、これらは全て内製できています。今は外注していた製品の3割が内製化され、コストダウンと納期短縮に直結。ゆくゆくは外注の量を半分にまで減らせるでしょう。


CFXを使って約5cmの厚いゴムをカットしている様子

CFXを使って約5cmの厚いゴムをカットしている様子


CFXがあるだけで売り上げが上がる


対応素材が増え、納期もスピーディーになったことで、仕事を取りやすくなりました。以前は納期やコストの面から断っていた案件も積極的に受けられるようになりました。

当社の設備としてCFXをSNSやHPで紹介していますが、実機を見てみたいという問い合わせが定期的にあり、それが本受注に繋がることもあります。機械を持っているだけで売り上げに繋がるなんて初めてです。


おしゃれなデザインのグッズ製作にも活用


現在はCFXを使い、「端材を活用したアップサイクル事業」に取り組んでいます。当社の製造過程で出るゴムの端材と、他社で出た天然木突板(木を薄くスライスしたもの)の端材を組み合わせ、コースターや小銭入れを製作しています。CFXなら細かい模様や柄、ゴムと木が層になったおしゃれなデザインも表現可能。製作意欲がかき立てられますね。

当社は60年以上、お客様からいただいた図面をもとに部品を作るB to Bの仕事だけをおこなってきました。新事業を始めたい気持ちは常にありましたが、本業務に追われて後回しにしていました。しかしCFXのおかげで、消費者向けのグッズ製作という新事業に取り組む余裕ができました。社内でも「次は何を作ってみる?」という会話が生まれ、ワクワクするような、活発な雰囲気になったのも良い効果です。


CFXを使って作成した、端材を活用したコースター

CFXを使って作成した、端材を活用したコースター


企業・団体プロフィール

  • 名称株式会社児玉ゴム商会
  • 業種各種ゴム、スポンジ、フィルムなどの加工、素材提案、卸売、端材を活用したアップサイクル事業
  • 住所広島県広島市中区河原町3-3
  • 電話番号082-232-1418
  • URLhttps://kodama-gomu.com/

導入した製品

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