装飾のプロが認める「新たな武器」:白が必要なもの、しっかりと隠蔽性を出したいものは「UCJV300」で高品質に
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第一生産部 問可(とが)龍一課長
UCJV300導入の決め手
- 作業工程を短縮できる
- 白インクの仕事を内製化でき、外注にかかるストレスが解消できる
- プリントメディアの汎用性が高い
ロールの仕事はUVへの移行が必須と考えた
機器の選定を行った同社生産・積算課の野村正路チーフリーダーは「悩みましたが、生産品を分類し、どれが頻出かで決定しました。当社で最も多いのはシートのロールメディア。作業工程を短縮させるため、溶剤系IJPからの切り替えを行うのが先と考え『UCJV300-160』に決定しました」。
インクに柔軟性があるため、メディアの上で割れたり、剥がれたりすることなく、施工現場でのNGも少なくなった。
出力物にもよるが毎時10.6㎡でのプリントが可能で、溶剤と異なり乾燥時間も必要ないため、生産性は格段に上がった。
品質面でも問可課長が「稼働している他のプリンタと比べても、一番仕上りがきれい」というほど高評価を得ている。
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生産・積算課 野村正路チーフリーダー
白インクの仕事のストレス解消
出力ではUVインクによってメディア対応力が向上。さらに、白色インクも搭載しているため、出力するメディアの地色を気にせずプリントできる。
前述のように、同社では白色が必要なものはこれまで外注だったが、特に二層での白の入れ方など指示が難しく、表現面でも例えば「ビールの冷たさ」「食品のシズル感」といった細やかな表現を要求されることが多いため、他社に任せるにはハンドリングの難しさがあった。実際、難しい表現の場合は泊氏が外注先まで出向き、サンプルを数種類出すなど微細な調整を行ってから出力していた。
「UCJV300-160」の導入により、これらが社内で出力でき、細かな表現までオペレーターの手を入れクオリティーが向上した。
「時間がないけれど、でもクオリティー要求は高いといった場合に悩むストレスが減りました」と野村チーフリーダー。
UCJV300の用途
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導入した「UCJV300-160」
「UCJV300-160」での出力物は、高いクオリティーを求められるコンサートなど舞台装飾で活用されるケースが増えている。メディア自体にカラーやメタリックなどの色が付いているものや、透明素材によるガラス装飾などがジョブの半分ほどもある。
他のIJPとの使い分けに関して、野村チーフリーダーはこう言う。「まずは白が必要なもの、しっかりと隠ぺい性を出したいものはUV」
泊氏は「アンドン(内照式)などでは、インクのにじみがなくしっかりと色を出せるので安心できます。逆にわざとにじんだ風合いにしたい場合は、溶剤で調整します」。
ミマキ製品との出会いは「JV4」の導入からで、その後「JV5」も設備し、現在は「UJV500-160」「UJF-6042MkII」などが稼働。このほか、溶剤系のロールタイププリンタ2台も設備している。
新たな武器としてのUCJV300
問可課長はこう述べている。
「クライアントから『木目のテーブルが欲しい』と言われた時には、それがどういった場所でどのくらいの期間、どのように使われるのか、仕上りへのこだわりはどうか、予算はどうかなどさまざまなファクターを考えます。その上で製作方法を考えるのですが、当社は木材、木目のシート、塗装などあらゆる方法を持っています。この中に『UCJV300-160』という新たな武器ができたのです」。
シミズオクトは、この新たな武器により、さらに装飾やディスプレイでの活用を見込んでおり、今後もミマキエンジニアリングと情報共有しながら、あらたな付加価値を生む出力物を世の中に提供したいとしている。
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同社の若手が作ったミーティングルーム
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左から問可龍一課長、野村正路チーフリーダー、出力を担当する泊啓二氏
UCJV300導入後の変化
- 生産性が格段に上がった
- 白インクの仕事を内製化でき、細かな表現までクオリティーが向上
- 有色素材や透明素材の出力を高濃度、高品質にこなせる
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「UCJV300」によるDay&Nightサイン
株式会社シミズオクト
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(株)シミズオクトは1932年創業で、80年以上の歴史がある会社。
その事業は、神宮球場大学野球の業務から始まり、スポーツやコンサート、展示会の運営、そして警備も務めるなど多岐にわたり発展し、現在、社員数は約1,329名。(平成30年2月1日グループ合計)
その中で、コンサートや展示会の飾りつけを行う「装飾部門」も誕生し、同社事業の柱の一つとなっている。
出力から施工まで一貫提供
装飾部門はシミズスポーツ装飾センターで発足。1971年、シミズ舞台工芸となり、2001年にシミズオクトとしてシミズスポーツとシミズ舞台工芸が統合され現在に至る。
ステージ関連の装飾では国内でもトップクラスの実績があり、ビッグアーティストの公演や国際的スポーツイベント、大規模展示会のブース装飾などを舞台裏から支えている。
その首都圏の拠点となるのが、千葉県袖ケ浦市にあるシミズオクト千葉スタジオ。
1990年にオープンしたこのスタジオだが、1997年に東京湾アクアラインが開通し、迅速な対応とスタジオの稼働がより一層上がった。
出力だけではなく、木工や立体造形、塗装、金属加工、舞台機構物や大型ステージシステムを取扱い、運搬や現場施工、廃棄物処理まで同社内で行える設備を持っており、イベント関連では一貫したサービスを提供できる強みを持つ。
同社の場合、素材や着色の方法はクライアントから任せられ、自社の判断で決められるため、クオリティーとコストを比較しながら作りやすい手段で理想形を実現しいているのも特長の一つだ。
企業・団体プロフィール
- 名称株式会社シミズオクト
- 業種会場設営、来場者サービス、セキュリティサービス、施設サービス、映像技術、国際ビジネスなど
- 住所〒161-0033 東京都新宿区下落合1-4-1
- 電話番号03-3360-7051
- URLhttps://www.shimizu-group.co.jp/