吉田テクノワークス株式会社(東京都墨田区)

課題
改善
自社の表現手段としてすべての印刷技術を応用したい。
UV硬化インクジェットプリンタの特性を知り、白色インクによる表現の幅の広がりを実感。Mimakiとの二人三脚の取り組みにより新技術の確立も実現。

不可能を可能にする技術力と表現力。 インクジェット技術の新たな可能性を提示。


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吉田テクノワークス株式会社(東京都墨田区)
(業種:携帯電話・情報端末の液晶表示窓(LCDパネル)、ハウジングなどの企画・販売)

導入機器:UV硬化インクジェットプリンタ「UJF-605C」

生産技術6部部長 中山伴明さん


【3社の総合力を活かした事業展開】
昭和21年(1946)、吉田グループの前身となる吉田工業製作所が操業を開始し、合成樹脂の成形加工業を主たる業務としていた。株式会社化された後、昭和27年(1952)に射出成形部門に進出。業務強化のために営業部を独立させ、昭和33年(1958)に吉田産業株式会社を設立している。その後、全国各地に工場進出するとともに、首都圏を中心に営業拠点を確立。同時に、中国工場での生産やフランス企業との業務提携など、世界を視野に入れたワールドワイドな展開にも積極的である。


平成16年(2004)6月、吉田産業株式会社は化粧品関連容器を取り扱う「吉田コスメワークス株式会社」と、情報通信機器関連部品を取り扱う「吉田テクノワークス株式会社」に分社。製造部門を担う吉田工業株式会社は「吉田プラ工業株式会社」に名称変更した。現在、吉田グループは3社の総合力を活かし、市場ニーズを見据えた新発想で研究・開発を行い、業界のイノベーターとして数々の新製品を生み出している。

【美とファッション性にこだわる】
東武亀戸線・小村井駅のほど近く、明治通りから1本奥まった通りに吉田テクノワークスの本社がある。ガルバリウム鋼板で覆われた建物は白で統一され、そのスタイリッシュな外観デザインはブランドショップと見まがうほど。製造業のイメージからはほど遠い。

「当社は吉田工業製作所のころからコンパクトをはじめとする化粧品関連容器を製造し続けてきました。かつては月産280~300万個を生産し、取引先となる化粧品メーカーは国内・海外含めて400社にも及びました。グループ全体としても製品のファッション性や美しさに重きを置いており、そうした当社ならではのコンセプトが社屋の設計にも反映されているのだと思います」と生産技術部部長の中山伴明さん。聞けばワンタッチで開閉する機能の付いたコンパクトを開発したのは同社であり、現在でも「コンパクトのYOSHIDA」として半世紀にわたり世界の一流化粧品メーカーへパッケージを提供し続けているという。


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【携帯電話のデザインに高精細な画像表現を】
加飾・装飾のデザインを原点とする製品づくりは、携帯電話をはじめとする情報通信機器関連部品の製造にも活かされている。あらゆる製品に高性能化・多機能化が要求される現代、同社はインモールドプロダクションシステムなどの先端技術を駆使し、機能性のアピール、先端性の表現、美のデザインを具現化。とくに携帯電話のLCDパネルや背面パネルは、耐久性・デザイン性ともに世界中の携帯電話機器メーカーから高い評価を受けている。

「当社では独自のインモールド製法により、擦れてもキズの付きにくい表面硬度と落としても割れにくい衝撃強度を両立させました。同時に、さまざまな加飾や精密な寸法精度を可能にした『YKウィンドウ』を開発し、各携帯電話メーカーの厳しい品質基準をクリアしています」 こうした同社の強味を大きくアピールすることとなったのが、最近主流となった携帯電話のカスタムジャケットである。だれしもが携帯電話を持つ時代、「他人と違ったデザインの携帯がほしい」というニーズは当然の流れであり、一部のコアなユーザーにとっては自己表現の手段であり、ファッションの一部なのである。ちなみに、携帯電話1機種を立ち上げるとおよそ10程度のパターン(柄)が生まれ、その他にサードパーティ製のものや、アーティストやクリエイターがデザインしたものまで多岐にわたるという。 同社では以上のような小ロットの生産に対応するため「UJF-605C」を計4台導入。1台は研究・開発用として、残りの3台は生産用として稼働している。

「導入のきっかけは、当社の表現手段としてすべての印刷技術を応用したいという思いからでした。使っているうちにUV硬化インクの特性を知り、また、白色インクによる表現の幅の広がりを実感しました。Mimakiの印刷に対するこだわりと当社の製品づくりのこだわりが一致したと思っています」 同社ではフルカラーのデジタル画像を直接プリントする新しい技術「YK-DIP(Direct Image Print)」を1年半前よりスタート。版不要のローコストによる小ロット生産を可能にしている。


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【製品のカスタマイズで表現力を高める】
導入された「UJF-605C」の使用にあたっては、さまざまな冶具や独自のノウハウを加味している。LCDパネルや背面パネルにデジタル画像をプリントするとき、透明の白窓部分にインクのしぶきが飛び散らないようアプリケーションソフトをカスタマイズした。 また、現時点では試作段階だが、たとえば皮と同じ質感にするためにインクの一部を盛り上げるなどの技術開発も行っている。こうした手触り感のある印刷技術を「DIP-TOUCH」と総称し、製品化されればインクジェットプリンタの新たな可能性を示すことになるだろう。

「他社ができないことに敢えて取り組むのが私たちの哲学です。DIP-TOUCHは技術としては確立しており、あとは印刷にかかる時間とコストさえクリアすれば製品化できる段階にまできています。こうした新技術が生まれるのもMimaki製品があってこそ。カスタマイズの段階でわれわれのフィードバックに対して適切なフォローアップがあったことに感謝しています。互いに問題点を改善していくという姿勢も評価でき、今後もさらなる印刷技術の向上と次世代インクの開発に二人三脚で取り組んでいきたいと思っています」


企業・団体プロフィール

  • 名称吉田テクノワークス株式会社
  • 業種携帯電話・情報端末の液晶表示窓(LCDパネル)、ハウジングなどの企画・販売
  • 住所東京都墨田区文花2丁目11番12号
  • 電話番号03-3610-0081(代表)
  • URLhttp://www.yoshida-tw.co.jp/index.html
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