中京化学株式会社(愛知県稲沢市)

課題
改善
水性グラビア印刷にシフト。
UJF-605C、UJF-605R導入で水性グラビア印刷にシフト。色校正と時間短縮。

環境に配慮した水性グラビア印刷にシフト。 カラーマネジメントシステムの確立が要。


[NEWS]

中京化学株式会社(愛知県稲沢市)
(業種:軟包装資材および各種規格袋の製造・加工・販売)

導入機器:UV硬化インクジェットプリンタ「UJF-605C」 同「UJF-605R」

営業部次長 丹沢恭平さん


[NEWS]

【業界に先駆けて水性グラビア印刷に着手】
昭和39年(1964)創業の同社は、企画から製造までをトータルにサポートする「一貫生産体制」を武器に、多種多様なニーズに応える新商品や高品質のパッケージ製品を開発・生産し続けてきた。
印刷業務の柱となるのは軟包装グラビアで、それらは大きく「食品部門」と「雑貨部門」に分かれている。前者はレトルト食品・油菓子・珍味・乾物など、後者は入浴剤、ボールペン、氷まくらなどのパッケージ(外材や袋)を指す。言ってみればスーパーなどの量販店でよく目にする、われわれ一般消費者にはお馴染みの製品だ。

同社の取り組みの中で特筆したいのは、およそ3年前より、業界に先駆けて水性グラビア印刷を推進してきたことである。同社営業部次長の丹沢恭平さんはこう話す。
「グラビア印刷業界における作業環境改善の意識の高まりと、各種環境に関わる法規制強化(PRTR法と埼玉県条例など)が全国的に広まりつつある中、印刷工程における大気汚染防止の足かがりとなる『アルコール含有率25%以下』をクリアするために、いち早くから環境問題への対応に取り組んできました。なぜなら、新たに約2~3億円の設備費をかけ、ランニングコストが1カ月200~300万円かかる溶剤処理設備を導入して従来と同じ油性グラビア印刷で対応するよりも、セクショナルドライブ方式の水性印刷対応のグラビア印刷機を導入した方が得策だと考えたからです」

【デメリットをメリットに変える技術開発】
油性から水性へ。言葉で言うのはたやすいが、水性印刷への対応にあたってはさまざまな問題が発生したという。従来の有機溶剤系インク(トルエン型インク)は有機溶剤を80%以上含んでいるのに対し、同社が使う水性インクは20%前後。アルコール濃度が少なくほとんどの主成分は水。こうしたインクは乾燥しにくく、濡れ性が悪く、ドクター刃と版(シリンダー)の滑走性が悪い。すべてが印刷に不向きな悪条件ばかりであるが、同社ではこれらの問題点を1つずつ改善することにより、水性グラビア印刷を実現可能としたわけである。


[NEWS]

【クライアントを納得させる色校正が必須】
色校正と実際の印刷物の色をいかに合致させるか……。カラーマネジメントシステムは印刷業界がずっと悩み続けていた、いや、現在でも大きな課題であろう。同社では水性グラビア印刷を導入するにあたり、クライアントを納得させる色校正を出力する切り札として新たなプリンタの導入が急務であった。
「水性インクは油性インクよりも色の再現性がよく、淡い色合いの表現を得意とします。こうした水性インクに見合う的確な色校正を作成する必要性に迫られ、カラープロファイルを作成し、水性インクに近い色を出せるカラーマネジメントシステムと各種フィルムへの印刷を可能にするプリンタを探していたところMimakiと出会いました」

同社ではおよそ2年前、PET・PP・塩ビなどさまざまな素材に印刷可能な「UJF-605C」を発売と同時に1台導入、続いてロールtoロールで軟包装フィルムにダイレクトプリントできる「UJF-605R」をおよそ1年前に、こちらも発売と同時に1台導入している。 「水性グラビア印刷に必要な数々の要望を投げかけつつ、最終的には満足のいくシステムが構築できました」と言うように、以上2機種の開発にあたり、同社は製造業の立場からさまざまな要望を出し、バックアップならびにサポートを続けていた。とくにMimaki製品のカラーマネジメントソフトウェア(RIP)の開発にあたっては、同社の“現場の声”が十二分に盛り込まれている。

同社ではカラーマネジメントシステムの一環として、また、水性グラビア印刷のプロセス化を推進していくうえで、プロセスカラー色(C、M、Y、K、白)のみで1275色の色調を再現した「プロセスカラーチップ(色見本帳)」を作成。印刷業界としては初の試みで、極論すればカラー印刷(写真画像)+1275色のパッケージデザインをたった5色で再現することができるようになったわけである。

さて、新しい機器を導入すると品質の部分にだけ目が行きがちであるが、そのメリットは他にもあった。色校正と実際の印刷物が限りなく近づくことで「時間短縮」という目に見えないメリットも享受している。 「本印刷にはクライアントの『立ち会い』が必須でした。通常は丸1日、少なくとも半日は立ち会い作業に同席しなければなりません。遠方より担当者が来社した場合はそれ相応の『おもてなし』も必要で、時間や経費面で割かれる部分は大きかったですね。現在、立ち会い作業がまったくなくなったというわけではありませんが、当社ならではのカラーマネジメントシステムが確立されたことで、色校正だけで一発OKとなるケースも少なくありません。作業工程のコストダウンのみならず、時間という視点から業務の効率化が図れたことは大きいと思います」


企業・団体プロフィール

  • 名称中京化学株式会社
  • 業種軟包装資材および各種規格袋の製造・加工・販売
  • 住所〒492-8031 愛知県稲沢市陸田高畑町90番地
  • 電話番号TEL:81-587-32-6311 / FAX:81-587-23-1541・1563
  • URLhttp://www.chukyokagaku.co.jp/index.html
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