軟包装材のサンプル作成に重宝
UCJV300導入の決め手
- 速度・色再現・対応用紙で求める条件をクリア
- グラビア印刷に近いパッケージサンプルを提供したい
軟包装プリプレスの強い味方
軟包装とは食品や日用品をはじめ、さまざまな商品に使われているパッケージのこと。
この軟包装、スーパーやコンビニエンスストアなど全国に流通する商品に使用されるため、作られる数量は数十万から数百万と膨大だ。
その膨大な数量を印刷する前にデザインを決めなければならないが、そのサンプル作りで「UCJV300-75」が活躍している。
ミマキという安心感
「UCJV300-75」は2018年9月に導入した。以前から使用していた他社製UVプリンタのリプレイスだった。
同社デザイン室の楢崎勝規室長は、2018年1月、同室に着任。その時には「すでにプリンタの色がぶれて、だましだまし使っている状態でした。そこで私が買い替えを提案したのです」と振り返る。
機種の選定では、各メーカーのインクジェットプリンタ(IJP)をすべて見て検討。「速度」「色再現」「対応用紙」などさまざまな角度から検討したが、最も気にしたのは「自社の使用状況と合うかどうか」という点だったという。
ミマキ機の導入は今回初めてだったが「軟包装業界での知名度が高く、安心感はあった。また、外注先のフラットベッドIJPもミマキ製品だったので、その品質も知っていた」と楢崎室長。
同社にとって、ミマキ製品は初の導入。操作の勝手が異なるなど不都合はなかっただろうか。
新田さんは「導入直後からプリントできており、問題なくスムーズに切り替えできました」と振り返る。
高品質な軟包装サンプル
同社の受注する仕事では、データ支給もあれば、自社がデザインすることもある。「UCJV300-75」はそのデザインのサンプル作成に使われている。
デザインはデータを画面上で見れば、だいたいの色や形は分かるが、実際にフィルムにプリントしてみなければ、良し悪しが分からないケースも多い。こんな時にUVプリンタが力を発揮する。
(株)日本包装の製品は食品での使用が9割。食品の場合、中身を見せることや、質感を生かしての包装が求められるため「実際に商品を包装してみたい」というクライアントからの要望が多々ある。容器を包むケースでも、容器との相性や容器色の映え方を実際のパッケージの形で判断したいという。
「UCJV300-75」では、本番で使用される素材に近いフィルムにプリントでき、営業担当は、このサンプルをクライアントに見せて、判断を仰げる。
※素材により、本フィルムにプリント可能
それも、製版が必要なグラビア印刷機とは異なり、微妙にデザインや色を変更したデザインパターンを数種類、多い時には数十種類も一度に出力し、どれが良いかを多くの中から選択できるのも特長だ。
美しいサンプルはコンペで優位に
パッケージは、そのアピール力がそのまま売り上げに直結する大事なもの。多い時には20回、30回と細かなデザイン変更を繰り返し、これをプリンタで出力することもある。
プリントするものの大きさは、最小サイズで「ラーメンのかやくの袋」、大きなものでは「コメ袋」や「業務用鰹節の袋」がある。
小さな商品の3ポイント程度の文字でも、しっかりと読めるようにプリントできることから、グラビア印刷と遜色のない表現力があるという。
楢崎室長は「商品パッケージは、何十年も売り場で生き続けるものがあり、そのデザインには責任が伴います。その為、売り場で見かけた時の喜びは格別ですね」と仕事のやりがいを語る。
日本の軟包装印刷は、世界でも最高峰と言われる印刷品質を誇る。サンプル作りと言えども、その品質は厳しくみられるのではないかと、楢崎室長に質問をぶつけたところ意外な答えが返ってきた。
「UCJV300-75」は6色仕様のため色域が広くて、グラビア印刷より色が出てしまうんです」というから驚きだ。
新田さんも「このままの色が出るわけではないと、お客さんに言ってくださいと営業に伝えています」と口をそろえる。
※グラビア印刷とUCJV300のプリント物の色合わせはカラーマネジメントシステムを使用することでより近い色が出力可能になります。
もちろん、この圧倒的に綺麗なサンプルの仕上りは「非常に好感を持たれる」というのは間違いなく、コンペになった際にも、美しいサンプルは優位に働く。さらにやり直しが発生した場合も、デザインが間に合えばすぐに新たなサンプルを出力できるため、顧客を待たせる心配がなく、この点でも評判がいい。
さらに良いものを
楢崎室長は「社内でも、クライアントからも、用意したフィルムに刷りたいというニーズが増えています。完全に本番用のフィルムで出力するのは無理かもしれませんが、推奨メディアを増やしていただきたい」と希望を口にした。
(株)日本包装は、企画・デザイン・サンプル作成~印刷・ラミネート加工まで広範に対応できる一貫生産体制が武器。
デザイン部門を生かし、顧客の要望に即応できる「UCJV300-75」によるサンプル制作と、それによって得られる表現力豊かなパッケージで顧客の信頼を獲得し、売上拡大に貢献していく。
株式会社日本包装
(株)日本包装はフィルム、包材の製造・販売メーカー。
同社のデザイン室では、パッケージデザインはもちろん、得意先からのデザインを印刷できるように手直しするなどの作業を行っている。
企業・団体プロフィール
- 名称株式会社日本包装
- 業種フィルム、包材の製造・販売
- 住所岡山県岡山市南区洲崎1丁目2-25
- 電話番号086-263-3636
- URLhttp://www.nihon-howsow.co.jp/index.html