カピタ株式会社(東京都練馬区):UCJV300-75

課題
改善
シール・ラベル生産のフルデジタル化を実現できるインクジェットプリンタ、カッティングプロッタを導入したい。
ミマキのプリンタは非常に使い勝手が良く、特にUCJV300-75は他社製品よりコストパフォーマンスに優れている。シール・ラベル業界では希少なデジタル専門業者として業績を伸ばしており、近く第3工場を開所する予定。今後はネット通販の充実や、フェイスシールに続く新製品の開発も見込む。

シール・ラベル生産をフルデジタルにし高収益化


UV硬化型インクジェットプリンタ「UCJV300-75」

UV硬化型インクジェットプリンタ「UCJV300-75」

UCJV300-75導入の決め手

  • シール・ラベルの少量生産に対応
  • 素材を選ばずプリント可能
  • カッティングプロッタで後加工もデジタルに

「デジタル一本化」がルール


カピタ株式会社

カピタ(株)は2015年に創業されたシール・ラベル印刷業者では比較的新しい会社。近年、印刷業が新会社を立ち上げるのはまれだが、同社の柳森寛剛社長には秘策があった。それがシール・ラベル生産のフルデジタル化だ。

柳森社長はもともとシール・ラベル印刷会社の(株)カクエイを継ぎ、代表としてデジタル印刷化を推進した業界では知られた人物。カクエイでのデジタル印刷化を推進する中で、アナログ印刷から離れて「デジタル一本」での生産を目指してみたくなり、分社化する形でカピタを設立し、新たなスタートを切った。


柳森寛剛社長

柳森寛剛社長


ラテックス系IJP「JV400-130LX」

ラテックス系IJP「JV400-130LX」


デジタルプリントに傾倒するきっかけは、他社のデジタルプリントを見てから。「当時はまだシール・ラベル業界には、それほどインクジェップリントは普及しておらず、物珍しかったんです。新しいものが好きなのと、その生産の様子がアナログに比べて格好よく、自社でもデジタルプリントをしてみたいと考えました」と振り返る。

ミマキエンジニアリング製品との付き合いは、カクエイ時代の「CJV30」に始まる。
7年前にはラテックス系インクジェットプリンタ(IJP)「JV400-130LX」を、2018年12月には「CJV30」の入れ替えでUV硬化型IJP 「UCJV300-75」を導入し、今は2つの機種を使い分けている。また、後加工機として「CG-75FXII」や「CF2-0907」など、カッティングプロッタが20台以上稼働している。

柳森社長は「アナログ印刷は一切やらない、というルールを決めて新会社を設立しました。その中でミマキさんのインクジェットプリンタは非常に使い勝手がいいです」とその機能を評価する。


認知進んだデジタルの良さ


ただ、導入してすぐはデジタルの仕事があまりなかった。同社は他の印刷会社から少量生産の製品を受注するケースが多く、厳しい印刷屋さんの品質基準では「インクジェットプリントはオフセット印刷と風合いが違う」という理由で、採用されないこともあった。
しかし、今はインクジェットプリンタの特性が印刷会社に広まり、その使い勝手の良さから重宝されている。

「始めた当時は『本番ではオフセット印刷だけれど、サンプルは少量なのでデジタルでお願いします』という発注が多かったのですが、最近では『質感が気に入ったから、本番もインクジェットでお願いします』という注文が増えました」と柳森社長。


このような異形、カラフルなシールも1枚から製造可能

このような異形、カラフルなシールも1枚から製造可能

シール・ラベルは一般的には、幅150mm~330mm程度の粘着紙を巻いたロールをアナログ印刷機で印刷し、抜き加工機でハーフカットし生産している。この場合、印刷用の版や、抜き加工用の刃型が必要になる。フルカラーであれば最低でも4つの版が必要。またキャラクターの形に周囲をカットする異形(いけい)抜きなどでは、刃型が高価になる。特色(コーポレートカラーなどの特別な色)が入れば、インクを特注することもある。
このため、1000枚以下の少量プリントでは、版と刃型、インクのコスト負担が大きくなり、生産に対応できないことが多かった。

カピタが進めるシール・ラベルのデジタル印刷化では、「版なし」「刃型なし」「色は掛け合わせで表現」のため、最少1枚からシールを比較的安価に作成できる。
柳森社長は「もちろん経済ロットがあり、300~1000枚程度までがIJPの守備範囲」という。なんと自動車販売店からはPR用のステッカー2万枚という大量の注文があり、IJPを駆使し1週間かけてプリントしたこともある。


当初、カクエイ時代のデジタルプリントは、モノクロレーザープリンタとカッティングプロッタを組み合わせて、訂正シールを中心に作成していた。しかし、現在はミマキ製品などの導入でフルカラーでの対応が可能となり、販売・販促用のステッカーや、商品ラベル、工業製品用のアテンション(注意)ラベルなどさまざまな製品をプリントしている。


「UCJV300-75」は安価


水で貼り付けるフェイスシールとタトゥーシールは本物にしか見えない

水で貼り付けるフェイスシールとタトゥーシールは本物にしか見えない

「他社の製品より断然安価で、コストパフォーマンスがよかった」と、柳森社長は「UCJV300-75」を選んだ理由を語る。それまで、このサイズと出力スピードであれば、安いものでも500万円~800万円の価格だったUV硬化型IJPが200万円台で手に入ることは「驚きだった」という。

別の効果もある。同機はUVインクを採用しているため、これまでプリントできなかった特殊素材への出力が可能だ。PETやホイルといったトナープリンタが苦手とするメディア(用紙)にも鮮やかなプリント表現を実現する。UVインクは発色がよく色が非常に濃いため、強い表現が必要なPOPラベルや広告用ステッカーなどで活用されている。

さらに同社が開発した「フェイスシール※」や「タトゥーシール」も、UVインクの場合発色がよく、国旗の色やロゴがはっきり見えるという。
柳森社長は「ソルベント系やラテックスではできない濃度が出ています。きれいなシールなので、2020年の東京オリパラでたくさん売れてほしい」とサンプルを並べる。

もう一つのミマキのマシン「JV400-130LX」は、インクが平滑で美しく「微細なプリント表現が必要な製品で重宝している」と使い分けについて説明してくれた。

※同社の印刷物はヒトパッチテストでこの印刷加工物は安全品と分類検証済みです。皮膚に触れる製品をご製作の際はお客様ご自身でヒトパッチ試験の委託をお願い致します。


後加工はカッティングプロッタ


オペレーターをとり囲むように配置されたプロッタ

オペレーターをとり囲むように配置されたプロッタ

カピタで特長的なのが、オペレーターを囲むように並ぶカッティングプロッタ。「どうしてもボトルネックとなりやすいのが抜き加工の部分」と柳森社長。
シール・ラベルのアナログ印刷では「刃型」を使った抜き加工を行う。刃型は簡単に言えば、鋼鉄の刃をカットしたい形に加工して、上から紙に押し付けることで切り抜くものだ。スピードは毎分数mから数百mと非常に早いが、少量生産では刃型のコストでシールが非常に高価になってしまう。
カッティングプロッタを活用すれば、少量生産でもコストを抑えた生産が可能になる。


カッティングプロッタは加工速度が抜き加工機に比べて遅いが、台数を多くすることでカバーできる。機械の価格も、アナログ後加工機は百万円台後半から数千万円を超えるものまであり高価。これに比べて、導入したカッティングプロッタは百万円を切るため、初期投資のハードルも低い。
さらにアナログ機には、職人の熟練した技術が必要で、1~2台に1人が張り付いていなければならないが、プロッタの場合はセット後に目を離してもよく、6~7台を1人で操作しながら仕事を進められる。


希少なデジタルプリントのプロ


フラットベッドのカッティングプロッタでは「CF2-0907」も設備している

フラットベッドのカッティングプロッタでは「CF2-0907」も設備している

「アナログは一切やらない」というルールを決めて創業したカピタ。デジタル機器で印刷のプロが納得するレベルのシール・ラベルをプリント・加工できる業者はいまだに希少で、製品もアナログ印刷に比べて値崩れしておらず、将来性も高いという。

シール・ラベル業界ではいまだにほとんどないデジタル専門業者として業績を伸ばしており、「生産場所がさらにほしい」と第3工場を開所する予定だ。今後はネット通販の充実や、フェイスシールに続く新製品の開発も行う。

柳森社長は「まだまだデジタルは可能性が大きい。ミマキさんにも協力を仰ぎながら、さらにシール・ラベルのデジタルプリントを進めていきたいです」と展望を語ってくれた。


<導入製品>
プリント&カット対応UVインクジェットプリンタ:UCJV300-75
ラテックスインクジェットプリンタ:JV400-130LX
ロールタイプカッティングプロッタ:CG-75FXII
フラットベッドカッティングプロッタ:CF2-0907


企業・団体プロフィール

  • 名称カピタ株式会社
  • 業種シール・ラベル・ステッカーの販売
  • 住所東京都練馬区高松6-37-9
  • 電話番号03-6904-5211
  • URLhttp://kapita.co.jp/

導入した製品

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