株式会社 ナラトデザイン(東京都渋谷区):UJF-6042MkII、CFL-605RT

課題
改善
缶バッジと台紙の製作を外注(オフセット印刷、抜き加工)していたが、小ロットの仕事ではコストがかかり過ぎていた。
CFL-605RTとレーザープリンタの導入により製作コストが約10分の1&大幅な納期短縮を実現。さらにUJF-6042MkIIも導入しアクリルキーホルダー製作なども内製化することで事業が拡大中。

導入した製品

内製化で外注からコスト10分の1へ


楢戸渉社長

楢戸渉社長

CFL-605RT導入の決め手

  • コンパクトさ
  • 低価格

楢戸渉氏は同社の3代目社長。創業者は楢戸社長の祖父で、社名の通りデザイン事務所として仕事を始めた。
創業者が百貨店勤務から独立した関係で、百貨店の包装紙や、菓子、紅茶の箱など、小売店の売り場で使用されるパッケージを制作が中心だった。楢戸社長は「皆さんがご覧になったものもあるはずです」という。

ノベルティグッズビジネスへの移行は、バブル崩壊後の98年ごろ、先代社長(楢戸社長の父)の時代。デザインに加えて、グッズそのものも収めてほしいというクライアントが増え、これに応える形で、これらの商品を外注し得意先に納めていた。缶バッチはもちろん、マグカップやTシャツを受注。東急ハンズなどの大手小売店での取り扱いがあり、注文数はどんどん増えていった。

楢戸社長は「当時は今ほどインターネットが発達していなかったので、取引は近隣の企業が多くBtoBが中心でした」と振り返る。社長就任が2014年で、2016年には法人に改組、これに合わせて自社ホームページも改修した。これにより、ネットを通じて缶バッジの依頼も増えていった。


内製化でコスト10分の1へ


台紙の「ひっかけ穴」をCFL-605RTで加工する

台紙の「ひっかけ穴」をCFL-605RTで加工する

CFL-605RT」を導入したのは2015年のこと。
用途はバッジの納品・販売時に使用する「台紙」のカット。一般的に缶バッジ製作の会社では、プリントと型押しを行い、缶バッジ本体を作るところまでを担当するケースが多い。他の工程は分業にするのだが、ナラトデザインでは袋詰め、発送までを一貫して行う。

同社で作っている缶バッジは、アニメのキャラクターやアイドル、スポーツ選手をプリントしたものがほとんどで、店頭では什器に台紙を吊り下げて販売される。このため、台紙にはバッジの「ひっかけ穴」を開ける必要があり、ここを「CFL-605RT」でカットしている。

それまでは、外注でオフセット印刷してもらい、さらにひっかけ穴に合わせた抜き加工を、抜型(刃型)を作って行っていた。抜き型台は3万円ほどもかかり、オフセットの印刷代も10万円ほど、台紙の必要枚数は平均で200~300枚、中には「100枚程度・リピートなし」というケースもあり、「これではコスト的に合わない」と思うこともあった。「CFL-605RT」とレーザープリンタを導入し、デジタルプリントからのカットという流れを作れたことで、台紙の製作コストは約10分の1まで下がっている。


導入の決め手は「大きさ」と「価格」


「CFL-605RTに一目惚れしました」と楢戸社長

「CFL-605RTに一目惚れしました」と楢戸社長

導入の決め手となったのは「大きさ」と「価格」。楢戸社長は、当時の東京本社に設置することを考えていた時に「CFL-605RT」と巡り合った。同機は、設置面積が1,320(W)×1,045mm(D)とコンパクト、標準価格も199万8,000円(税込)と200万円を切る。

「振動刃があったことも決め手となっています。もともとミマキさんの製品では、ロールタイプのカッティングプロッタを使用していたことから、とっつき易かったこともあります。まったくの別件で展示会に行き、ミマキさんのブースで見かけて一目惚れしました」と楢戸社長。


納期短縮そして効率のいい仕事


導入された「CFL-605RT」

導入された「CFL-605RT」

さらに内製化により、大幅な納期短縮も実現した。外注では入稿から校正、プリント完了まで約1週間かかっていたが、今では最短当日、ほとんどが翌日までには仕上げられる。サンプルなどの少量で明日納期などという仕事も、余裕をもって対応できる。

社長自らデータ処理を行い、1日20件ほどの仕事を受注しており、台紙の作成もこれに合わせて行われるが、遅れなどなくスムーズに仕事が完了していく。なんと、1週間で1万個を納品という、かなり厳しい納期の仕事にも、対応できるようになった。

「CFL-605RT」の操作は大まかな位置合わせを行い、カットスタートすれば、センサーがトンボを読み取り、あとは自動でカットしてくれる。このため、オペレーター1人が「CFL-605RT」に加え、レーザーカッターの操作や商品の仕上げといった他の仕事を手早くこなし、効率的に仕事をこなせるという。また、印刷とカット品質のコントロールも社内で行えるので、大幅にやりやすくなり、品質も向上した。

台紙は販売数に直結するもの。台紙を見る人は、そのアニメ作品やアイドルのファンなので、品質は厳しいが「これにしっかり応えられるようになりました」と楢戸社長。

ミマキの保守サービスに関しても「ほとんどコールセンターに聞くだけで対処できます。大きなトラブルの場合も、翌日までには来てもらえるので安心感があります」と話す。


同社が作成したアクリルキーホルダー。ミマキ製UVプリンタ「UJF-6042MkII」でプリントしている

同社が作成したアクリルキーホルダー。ミマキ製UVプリンタ「UJF-6042MkII」でプリントしている

ミマキ製品では2016年冬、UV硬化型インクジェットプリンタの「UJF-6042MkII」を初めて導入し、アクリルキーホルダーなどの製品への出力を内製化した。現在では、追加導入し、東京と福岡の工場で合わせて6台が稼働するなど、信頼の深まりとともに導入台数も増やし続けている。

楢戸社長は「キャラものグッズはさらに伸びつつあります。今後さらに機器の台数を増やし需要に対応したい」と展望を語る。


株式会社 ナラトデザイン


株式会社 ナラトデザイン

㈱ナラトデザインは1980年創業。
現在は缶バッジやアクリル製キーホルダー、スタンドなどノベルティグッズの企画、製作、販売、OEMなどがメイン。


企業・団体プロフィール

  • 名称株式会社 ナラトデザイン
  • 業種ノベルティグッズの企画、製作、販売
  • 住所東京都渋谷区笹塚1-54-7 KSビルヂング3F
  • 電話番号03-3465-7322(代)
  • URLhttps://www.ndsn.co.jp/

導入した製品

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