「職人」から「オペレーター」へ UJF-7151 plusIIで絵付け・金彩加工のデジタル化を達成:株式会社佐倉製作所様

課題
改善
絵付けや金彩加工を外部の職人に依頼していたが、高齢化や後継者不足により、将来的な生産体制に不安を抱えていた。また、スクリーン印刷による絵付けは型の管理が煩雑で、細かな表現やサイズ展開にも制約があった。
「UJF-7151 plusII」の導入で絵付けをデジタル化し、自由なデザインやサイズ違いの絵柄を自社で制作できるように。さらにデジタル箔による金彩表現を確立して金彩加工も内製化。職人に依存していた工程を減らしつつクオリティを落とすことなく新たな表現にも挑戦できる生産体制を実現した。
ハイパフォーマンス フラットベッドUV-LEDインクジェットプリンタ「UJF-7151 plusII」

ハイパフォーマンス フラットベッドUV-LEDインクジェットプリンタ「UJF-7151 plusII」


UJF-7151 plusII」を導入いただいている株式会社佐倉製作所様の事例が、看板業界情報誌『POP EYE』  No. 281(2026年2月号)に掲載されました。

以下に掲載された記事を原文のままご紹介いたします。


外注先の職人が高齢化。課題解決を託されたインクジェットプリンター


埼玉県越谷市の(株)佐倉製作所は、節句人形の屏風や飾台などを製造販売する木工メーカー。木工加工から塗装までを一貫して社内で製造している。

同社の創業は昭和20年までさかのぼる。創業者が東京・向島で行っていた挽物加工(旋盤で木材を回転させて削り出す加工技術)がルーツで、東京大空襲で工場が消失したことをきっかけに、同所にて事業を正式に立ち上げたという。

戦後だった当時、笛や積み木などを製作し輸出していた同社は、釣り具メーカーとの出会いが転期に。挽物技術による高精度な釣り竿の持ち手の仕事を安定して確保していった。

昭和40年代後半、釣り竿の仕事は中国生産への移行が進み、仕事の転換先として着目したのが人形業界だ。近隣に鎧兜を製作する会社があり、「兜を収納する箱を作れないか」という相談を受けたことがきっかけとなった。木工・塗装の自社技術を活かし、兜用収納箱から雛人形用の屏風、飾り台と製品の幅を広げ、ベビーブームという人形業界の成長とともに事業を拡大。今や全国の人形問屋・販売店との取引実績を持つまでに至った。


節句用の収納箱や屏風、飾台などを自社一貫で製作する佐倉製作所。

節句用の収納箱や屏風、飾台などを自社一貫で製作する佐倉製作所。


木工加工と塗装は自社対応できていたが、絵付けや箔押し(金彩加工)といった工程は、職人への外注に依存していた。しかし、外注先の高齢化や後継者不足の問題が顕在化。代表取締役・佐倉光広氏は、コロナ禍を契機に「今後どう事業を続けるか」を真剣に考えるようになったという。

課題解決策として浮上したのが、絵付け工程のデジタル化だった。同社では2023年にミマキエンジニアリングのフラットベッドUVプリンター「UJF-7151 plusII」を導入した。同機は、トップクラスの生産性と安定性を持ったLED-UVインクジェットプリンター。710×510mmの作図範囲と最大153mmまでの厚みに対応し、最高1800dpiの高精細プリントが特徴で、ユーザーの要望に応じた多彩なインクを用意している。

アナログからデジタルへのシフトを決断した佐倉製作所。ミマキのプリンターは、同社の期待に応えることはできたのか。佐倉光広社長と「UJF-7151 plusII」を駆使して自社製品を製作する商品企画・若月由希子氏に話を聞いた。


(写真左から)代表取締役・佐倉光広氏、商品企画・若月由希子氏

(写真左から)代表取締役・佐倉光広氏、商品企画・若月由希子氏


― プリンター導入の経緯


佐倉(敬称略・以下同じ):人形業界における屏風や飾台はひな人形や五月人形の格式を高め、華やかに見せる大切な役割を持っています。当社では職人に絵を書いてもらい、それをスクリーン印刷で「絵付け」を行っていました。しかし、型の管理が煩雑で属人的、細かい表現にも限界があることから他の方法はないかと探していたところ、インクジェット技術に行きつきました。

当時プリンターの知識はゼロで、とにかくWebサイトを見て回りました。名前を知っている大手企業もいくつかありましたが、ミマキさんのWebサイトがとても詳しく用途提案も盛んで、近くに営業所もあることから連絡したのが始まりです。

若月:大宮にあるさいたま営業所では、親身に当社の話を聞いてくださり、木の立体物に直接印刷するプリンターを提案いただきました。できることが多く、箔も扱えることから「UJF-7151 plusII」の導入を決定しました。

― 運用を始めた率直な感想

佐倉:"職人" から "オペレーター" へという考え方にシフトし、「この人にしかできない」という仕事を減らすことに成功しましたね。今までのクオリティを落とすことなく、新しい表現にも挑戦できるようになりました。

若月:運用的には試行錯誤の連続です。漆の上にはインクが定着しにくいなど、UVインクにも相性があります。材料は替えが効かず失敗すると大変なので、ミマキさんと相談しながらノウハウを学んでいます。

今最も力を入れているのは「デジタル箔」です。この業界の金彩加工にどこまで近づけるかがポイントでした。金箔のムラ、貼り方、作業時間など多くの試行錯誤を重ね、既存工具も工夫しながら改良を続けました。

佐倉:結果として、見た目の立体感、金の質感については、顧客からも「ほぼ問題なし」と評価されるまでになり、金彩加工の内製化も達成。現在さらなる作業時間短縮と安定品質を目指して社内一丸となって改善を続けています。


「UJF-7151 plusII」の導入で、今まで職人が箔押ししていた部分のデジタル化を達成したほか、自由なデザイン・大きさの絵柄を自社で入れられるようになった。

「UJF-7151 plusII」の導入で、今まで職人が箔押ししていた部分のデジタル化を達成したほか、自由なデザイン・大きさの絵柄を自社で入れられるようになった。


― 今後の展開について


佐倉:インクジェット化により、外注費・運送費の削減、納期の明確化、在庫管理の安定といったメリットに加え、同じデザインをサイズ違いで展開できる点は、従来の型を使う加工では不可能だった強み。1点ものなどの細やかな商品ニーズに応えていきます。

現在、ミマキさんの「Kebab HS」という円柱プリントができるオプションを導入し、地域振興としてキャラクターボトルの製作も始めました。今後、厚盛り印刷による点字表現など、付加価値のある製品づくりにも事業を広げていきたいですね。


株式会社佐倉製作所の外観

株式会社佐倉製作所の外観


※現在、新規の依頼はお受けしておりません


企業・団体プロフィール

  • 名称株式会社佐倉製作所
  • 業種節句用屏風・飾台・兜櫃・木札製造販売、ノベルティ商品企画製造販売 等
  • 住所埼玉県越谷市東町3-205-1
  • 電話番号048-988-1371
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