株式会社新興グランド社(東京都北区)

課題
改善
小ロット・多品種・短納期を求めるクライアントニーズに応えたい。
アナログとデジタルの2つの印刷方式を併用し、コストパフォーマンスも含めた新たな商品開発を実現。

時代の空気を読み、デジタル印刷に着手。 説得力のある営業展開が可能に。


宮坂次郎さん(左)、柴田昌弘さん(右)

株式会社新興グランド社(東京都北区)
(業種:スクリーン印刷、各種加工製品、2D3D製品)

導入機器:UV硬化インクジェットプリンタ「UJF-605C」 ソルベントインクジェットプリンタ「JV3シリーズ」 マルチ・カッティングプロッタ「CG-130FX」

専務取締役 宮坂次郎さん(左)
製作担当  柴田昌弘さん(右)


会社外観

【創業当時より付加価値印刷を業務の柱に】
昭和23年、謄写版や捺染印刷でスタートした同社は、手ぬぐいや風呂敷、ふすま紙や包装紙等のほか、スリッパをはじめとする名入れ業務をメインとしていた。いわゆる付加価値印刷の原形であり、昭和30年代に入り本格的な商業印刷に対応したスクリーン印刷専業になってからもそのスタンスは変わらない。
同社最大の強味は特殊印刷のバリエーションの豊富さである。代表的な加工技術にはスポットクリア、縮み印刷、疑似エッチング、スクラッチ印刷、畜光印刷、芳香印刷、感温印刷、入れ墨印刷など枚挙にいとまがない。マテリアルは紙、ガラス、プラスティック、合成樹脂、金属、布などほとんどの素材に対応。形状を問わずに印刷できるなど、オフセット印刷の付加価値付けとしてメリットが大きい。

特筆したいのはバリエーションの豊富さのみならず、オリジナル販促商品の企画開発である。たとえば、本物そっくりの超リアルな成形ポスター「触・立体(サワリタイ)」、パソコンビギナーの文字入力を支援する「キーボードシール」、UV透明樹脂を立体印刷した「点字名刺」などがある。これらの販促商品は極々一部であり、その他にも他社と共同開発した販促商品がずらり。下請け仕事のイメージが強い印刷業界にあって、これほどまで自社商品を明確に打ち出している企業は珍しい。年々価格競争が激しくなる印刷業界にあって、同社ならではの特化した技術をオリジナル商品として企画開発し、それを名刺代わりに新規開拓を行っている。


UJF-605C

【スクリーン印刷だけでは立ち行かなくなった】
「シルク畑の王道を行く私たちとってデジタル印刷は対極でした。スクリーン印刷は独特のインクの厚みや耐光性があり、どんな印刷にも負けないという信念があったからです。しかしながらここ数年、クライアントニーズは小ロット・多品種・短納期を求めるようになり、アナログでは対応できなくなってきたのも事実です。版代や型代などランニングコストが高いスクリーン印刷では、小ロットになったときにコストがかさんで敬遠されるケースが出はじめるなど、旧来の固定観念を変える必要に迫られました」と、専務取締役の宮坂次郎さんは話す。

アナログとデジタルの2つの印刷方式を併用しないと、コストパフォーマンスも含めた新たな商品開発は難しいと考えた同社は、平成17年4月の新社屋オープンを機にMimaki製品を導入。「デジタルに移行する際、どんな形でも印刷可能なフラットベッド式のインクジェットプリンタを導入したいと考えていました」(宮坂専務)とのことから、メインマシンとして「UJF-605C」を選んだ。現在、新社屋ビル(本社工場)のワンフロアが製作部門となり、同時期に導入した「JV3シリーズ」、「CG-130FX」とともに日々フル稼働している。ちなみに、スクリーン印刷等のアナログ印刷を行うのは荒川工場として独立しており、これでデジタル・アナログの両方に対応できる設備が整ったわけである。


[NEWS]

【UJF-605Cが業務の幅を広げた】
「メインマシンとしてUJF-605Cを使いはじめておよそ1年半。導入によって仕事の幅がかなり広がったと思います。業務のスピードやフットワークの軽さが求められる時代、マシンの存在は当社における二の手、三の手の武器になりました。営業トークにも反映され、結果として説得力のある営業展開が可能となりました」(宮坂専務)

写真:UJF-605Cでプリント後、CG-130FXで輪郭カット


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たとえばこうである。手鏡などのノベルティの裏面にキャラクター画像を印刷する際、クライアントからは当初スクリーン印刷の注文があったが、シルクでは細かいグラデーション等を表現することが難しく、また、シール印刷では剥がれてしまう恐れがある。それほど大量ではないのでインモールド成形だとコストアップにつながってしまう。消去法で考えていったところ最もコストパフォーマンスがよく、なおかつ納得できる画質を保てるのがUJF-605Cによるデジタル印刷であった。


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「あらゆるマテリアルに対応できる点がいいですね。グラデーションがきれいで白インクも打てるなど、素材に対するカラー表現の幅が広くどんな要望にも対応できます。また、当社で最も多いマテリアルは2~3ミリのアクリル板ですが、マシンのクリアランスは50ミリまであるので成型物まで印刷が可能。その点も大きな強味だと思います。ちなみに、画質や印字スピードに不満はありません」と、製作担当の柴田昌弘さん。

デジタル印刷はプロセス表現のためスクリーン印刷の色表現にはかなわないが、コスト面を考えた場合は断然優位となる。同社ではコーポーレートカラーなど忠実な色表現が必要な場合はその部分だけをスクリーン印刷に切り換えるなど、色のクオリティ、コストパフォーマンスの両面から最適な印刷手法を選択。高付加価値かつ顧客満足度の高い商品を提供している。


企業・団体プロフィール

  • 名称株式会社 新興グランド社
  • 業種スクリーン印刷、各種加工製品、2D3D製品
  • 住所〒115-0055 東京都北区赤羽西2-21-1 (本社)
  • 電話番号TEL:048-227-3318 FAX:048-227-3319 (営業本部・工場)
  • URLhttp://www.shinko-grandsha.jp
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